
現場 の 「困りごと」 を 拾い上げ、 最適な ツール を 届ける DX の 最前線
――まずは、お二人が所属されている「土木企画室 DX戦略部」の役割と業務内容について教えてください。
青木様:私たちの部署は、清水建設の土木部門が将来的にどのようなDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すべきか、そのロードマップを策定・推進する役割を担っています。
胡様:DXを机上の空論で終わらせないため、私たち自身が週に2~3カ所、全国各地の建設現場へ足を運びます。そこで働く所長や社員、協力会社の方々から「この作業が面倒だ」「こんなツールはないか」といった生の声をヒアリングし、解決策となるICTツールやシステムを選定・試行し、展開しています。
青木様:現場の環境は千差万別です。インターネットが快適に使える場所もあれば、山間部で電波が入らない場所もあります。また、協力会社の方々のITリテラシーも様々で、スマートフォンを使いこなす方もいれば、ガラケーでの通話がメインという方もいらっしゃいます。
そうした「現場のリアリティ」を理解した上で、本当に使えるツールでなければ定着しません。私たちは現場の泥臭い課題と最先端の技術をマッチングさせる役割を担っています。
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◆DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
データやデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争上の優位性を確立すること。単なるIT化(デジタル化)を超え、働き方や組織文化そのものを変える取り組みを指す。
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「紙にメモ」 の アナログ 習慣 と 手作業 の 議事録作り が 若手社員 の 参加・成長 を 阻んでいた
土木企画室 DX戦略部 胡 友馨様
――Notta導入以前、現場ではどのような課題があったのでしょうか?
青木様:建設現場では会議が非常に多いのが特徴です。社内の打ち合わせはもちろん、発注者様や自治体、協力会社との協議など、1〜2時間の会議が毎日のように行われます。
その際、議事録作成は若手社員が担当することが通例となっていました。彼らは会議中、必死にメモを取ることに集中してしまい、議論の内容を深く理解したり、自分の意見を発言したりする余裕がありませんでした。現場からも「議事録作成の負担を減らしたい」「自動化できるサービスはないか」という相談が頻繁に寄せられていました。
青木様:また、現場特有の「アナログな習慣」も課題でした。現場ではパソコンを開けない状況も多く、とりあえず紙の手帳にメモを取り、事務所に戻ってからパソコンに手入力で転記するという「二重入力」が発生していました。
さらに、大規模な現場であれば高機能なツールを導入する予算もありますが、小規模な現場ではコストがネックとなり、「我慢して手入力で頑張る」という選択をしがちでした。全社的な生産性向上を目指す上で、規模に関わらず誰もが使える解決策が必要でした。
Notta を 選んだ 決め手 は 使いやすさ と 多言語対応
土木企画室 DX戦略部 青木 ジン様
――多くのAI文字起こしツールがある中で、なぜNottaを選定されたのでしょうか?
青木様:2023年末頃から、Nottaを含めた3社ほどのサービスを比較検討しました。建設業は専門用語が多いため、どのツールでも「辞書登録」は必須であり、その点での認識精度に大きな差はありませんでした。
しかし、比較を進める中でNottaが圧倒的に優れている点が明確になってきました。それが「使いやすさ」「多言語対応」の2点です。
1. 現場の誰もが迷わず使える「UI/UX」
青木様:一番の決め手は「使いやすさ」でした。
Nottaはブラウザ版もアプリ版もUI(ユーザーインターフェース)が非常にシンプルで、直感的に操作できます。「ボタンを押せば録音開始」という分かりやすさは、マニュアルを読む時間のない現場において非常に重要です。iPadやスマートフォンでも手軽に使える点は、PCを持ち込めない現場環境に最適でした。
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◆UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)とは
UIは画面のデザインや操作性、UXはそれを通じてユーザーが得られる体験や心地よさを指す。ITツールにおいて、UI/UXが優れていることは「教育コストの削減」や「定着率」に直結する。
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2. 海外現場でも通用する「多言語対応力」
青木様:清水建設は海外事業も展開していますが、ある海外の現場で試行した際の結果が決定的でした。そこでは、ローカルスタッフと日本人駐在員が混在し、日本語、英語、そして現地の言葉が飛び交う会議が行われていました。
他社ツールでは対応が難しかったのですが、Nottaは58もの言語に対応しており、複数言語が混ざった会話でもリアルタイムで認識し、翻訳表示まで可能でした。「これなら海外現場でもいける」と確信した瞬間です。
議事録 作成時間 を 40% 削減。 メモ と 入力作業 から 解放された 若手社員 に 大きな 変化が

――Notta導入後、どのような定量的・定性的な効果がありましたか?
青木様:導入から1カ月半ほどでユーザーアンケートを実施したところ、感覚値ではありますが「議事録作成時間を約40%削減できた」という結果が出ました。
また、AI要約のテンプレート機能を活用しています。デフォルトのテンプレートだけでなく、現場ごとに「こういう構成でまとめてほしい」というカスタムテンプレートを作成・共有できる点が便利です。
胡様:定性的な変化として最も大きいのは、若手社員の働き方です。これまでは「記録係」として必死にメモを取っていた彼らが、Nottaに記録を任せることで、しっかりと話を聞き、議論に参加できるようになりました。「書く」作業から「考える」作業へシフトできたことは、人材育成の観点からも非常に大きなメリットだと感じています。
青木様:会議中にNotta上で「ここが重要」とブックマークしたり、ToDoリストを作成したりする機能も活用されており、会議が終わった瞬間には次のアクションが明確になっています。現場の動きがスムーズになるというメリットがあります。
単純作業 から 価値創造へ ~Nottaの活用 で DX と マインドセット 変革 を 加速

――最後に、今後のNottaの活用方針や展望についてお聞かせください。
青木様:現在は約180名のユーザーが利用していますが、今後はさらに利用者を拡大していきたいと考えています。
また、蓄積された会議データは当社の貴重な知見やノウハウの塊です。セキュリティを確保しつつ、これらをナレッジベースとして活用し、技術継承や新しい価値創出につなげていければと考えています。
胡様:建設業界は「2024年問題」をはじめとする時間外労働の上限規制への対応が急務です。限られた時間の中で成果を出すためには、人間がやるべき仕事と、AIに任せる仕事を明確に分ける必要があります。議事録作成のような転記・整理作業はNottaに任せることで、人間はより付加価値の高い、創造的な業務に時間を使えます。Nottaの導入は、単なるツールの導入ではなく、そうした「働き方改革」や「マインドセットの変革」への第一歩だと捉えています。
青木様:「自動化は難しい」「DXは大変だ」と思われがちですが、Nottaはボタン一つで劇的に時間を削減できる、非常に「入りやすい」ツールです。この成功体験をきっかけに、社内全体のデジタル活用リテラシーを底上げしていきたいです。

清水建設 株式会社
会議数が多く、若 手社員を中心に議事録作成に膨大な時間を取られ、本題の議論に参加できなかったり、他の業務が圧迫されていた。
現場ではアナログな手法(手書きメモ等)が多く、事務所に戻ってからの転記作業など二度手間が発生していた。
海外の現場では多言語が飛び交い、正確な記録を残す難易度が高かった。
小規模な現場では、高額なツールの導入コストがネックとなり、DXが進まないジレンマがあった。
優れたUI/UXと多言語対応を評価し「Notta」を導入。
土木部門で包括契約を結び、現場がコストを気にせず手軽に利用できる環境を整備。
建設用語の辞書登録や、会議タイプに合わせたカスタムテンプレートの活用を推進。
議事録作成時間を約40%削減。若手社員が「書くこと」から解放され、会議への集中と発言が可能になった。
会議終了後、即座にAI要約を共有することで、次のアクションが明確になり、その後の現場の動きがスムーズに。
海外の現場で日本語・英語・現地語が混在する会議でも、スムーズな記録と翻訳・共有が可能になった。

