
残業 と 質 の ばらつき を 生む ”議事録文化” が ボトルネック
――まずは、貴社がNottaを導入するに至った背景、特に抱えていた課題についてお聞かせください。
杉山様: 私たちの部署、DX推進部の大きなミッションは、建築業界全体の課題である「2024年問題」に代表される長時間労働の是正に、ITの視点からアプローチすることです。そのために、まずは社内のどこに非効率が潜んでいるのか、業務フローの洗い出しと現場へのヒアリングを徹底的に行いました。その中で、課題として浮かび上がったのが、「議事録作成」の文化でした。
建築業界には、会議の議事録を紙に起こし、上長や事業主様に判子をもらって正式な記録として納めるという文化が今も強く残っています。しかし、その実態を詳しくヒアリングしてみると、二つの極端な問題が見えてきました。一つは、非常に真面目に議事録を作成しようとするあまり、多大な時間を費やす現場。もう一つは、その手間を嫌って、逆に議事録自体が非常に雑になってしまっている現場です。品質に大きなばらつきがあり、本来の目的である正確な情報共有ができていないケースも散見されました。
――質の高い議事録を作ろうとすると、具体的にどれくらいの時間がかかっていたのでしょうか。
杉山様: それが、まさに想像を絶する時間でした。特に現場では、事業主様や設計事務所との定例会議が月に2〜3回、長いもので3時間にも及びます。これまではICレコーダーやスマートフォンのボイスメモで録音し、会議後にその3時間分の音声を何度も巻き戻しながら、手作業でPCに打ち込んでいたのです。
丁寧に作ろうとすればするほど時間はかかり、議事録作成には会議時間の2倍以上の時間を要することもありました。計算上、現場の担当者一人が議事録作成という一つの業務だけで、月に最大18時間も費やしていたことになります。これが定時後の残業に直結しており、業務効率化を進める上で大きなボトルネックであることは明らかでした。
Notta が 唯一 の 選択肢 だった 理由 は 価格体系 の 柔軟性・UI/UX の 良さ ・高頻度な 進化 による 将来性 への 期待
DX推進部係長 杉山 舜様
――議事録作成が課題だと特定された後、どのように解決策を探されたのでしょうか。
杉山様: 課題が明確になったことで、DX推進部内ではすぐに「AIによる文字起こしツールを導入してはどうか」という方向性が固まりました。「そういう切り口があるなら、ぜひやってみよう」と、部署としての意思統一は非常にスムーズでした。
ただ、当時はAIを活用した様々なツールが出てきたタイミングでしたので、一つのツールに絞るのではなく、複数のツールをリストアップし、慎重に比較検討するところからスタートしました。
――様々なツールがある中で、最終的にNottaを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
杉山様: いくつかありますが、一番大きな理由は価格体系の柔軟性です。ほとんどの文字起こしツールは、利用する社員数に応じたユーザー課金モデルでした。しかし、導入初期段階で「マンション事業部の約60現場すべてで使います」と断言するのは難しく、費用対効果の説明も困難です。
その点、Nottaは契約した時間数を組織全体で分け合える従量課金制(※1)でした。これなら利用人数の増減を気にせずスモールスタートでき、徐々に利用者を広げていくという柔軟な運用が可能です。この点が、稟議を通す上でも非常に大きなメリットでした。
(※1:エンタープライズプラン料金の場合)
――価格以外の決め手はありましたか?
杉山様: 使いやすさと将来性ですね。使いやすさについて、トライアルで試した際の第一印象として感じたのが、UI(操作画面)が非常にシンプルで直感的だということです。これならITツールに不慣れな現場の社員でも、マニュアルなしで使えるだろうという安心感がありました。
また、将来性について、アップデートの頻度の高さにも注目しました。AI要約のテンプレート化やAIチャット機能の追加など、常に進化を続けています。導入して終わりではなく、将来的にさらに便利になっていくという期待感が持てたことが大きなポイントです。また、リスク管理部などでの利用も想定していたため、録音データに対してオーナー権限が設定でき、情報が関係者以外に公開されないというセキュリティ面も評価しました。
「手書きが一番」 という 現場 の 抵抗感 を どう 乗り越えたか
――ツールは決まりましたが、文化の根強い現場へはどのように導入を進めたのですか?
杉山様: やはり、そこが大きなハードルでした。「議事録は手で書くことが勉強になるんだ」「書くことで頭に入ってくるんだ」という考えを持たれている方は、特に現場のベテラン社員にはすごく多い印象です。
我々としても、その考えや経験を真っ向から否定するつもりはありません。そこで、AIが要約したものをたたき台にして、最後に自分の言葉で追記する形なら、勉強するという目的も達成できるのではないか。具体的には「全てをシステムに置き換えるのではなく、手書きの良さは残しつつ、一番手間のかかる『聞き起こし』や『清書』といった作業だけをNottaに任せてみませんか」と共存を提案しました。
その結果、まずは一度試してみようという雰囲気を作ることができ、スムーズな導入に繋がったと考えています。
議事録作成 75% 削減、 採用OJT の 質 向上… 全社 に広がる ”Notta の インパクト”

――実際に導入されて、現場の課題はどのように解決されましたか?
杉山様: 効果は絶大でした。マンション事業部では、これまで1時間の会議に対して2時間かかっていた議事録作成が、Notta導入後はわずか30分程度で完了するようになりました。実に75%もの時間削減です。
現在、マンション事業部だけで約70名の社員がNottaを利用していますが、当初の目的だった定例会議の議事録作成だけでなく、所長が部下とのちょっとした打ち合わせや、教育目的で現場のことを教える際に、後から振り返れるように自分で記録を取っておくといった、想定していなかった活用も現場の工夫により生まれています。
――現場での成功が他の部署にも広がり、ただの業務時間削減以上の価値が生まれたわけですね。
杉山様: はい。展開がスムーズだったのは、オンライン会議での音声認識精度が非常に高く、ストレスなく使えたことが大きいです。現場での成果が社内に口コミでどんどん広がり、今では様々な部署で自発的に活用されています。各部署での例は以下の通りです。
人材開発部(採用):採用担当者ごとの面接の進め方にばらつきがあり、指導が難しいという課題がありました。Nottaで面接を記録・共有することで、上長が具体的なフィードバックをしやすくなり、OJTの質が格段に向上しました。
リスク管理部:週に3~4回行われるトラブル対応や社内規則の更新に関する会議で活用しています。以前は聞き漏らしがないようにメモを取ることに必死でしたが、「議論そのものに集中できるようになった」と声があがっています。
その他本社部門(各種ミーティング):特に、ヒアリングや情報収集のように話が多岐にわたる会議ほどNottaの真価を発揮します。以前は議事録を作成していなかった会議でも、30分程度で要点をまとめた記録を残せるようになりました。記憶に頼って議事録を作成するよりも、実際に話された内容に基づいた、より精緻な情報資産を残せるようになったのは大きな進歩です。
電話営業 の 記録 から 全社 の ナレッジ活用へ。 会話データ が会社 の 新たな 資産 になる

――今後のさらなる活用について、展望をお聞かせください。
杉山様: 次のステップとして、営業部門での活用を本格的に進めたいと考えています。お客様との商談内容を記録することで、「言った言わない」といったトラブルを未然に防ぐだけでなく、トップセールスのトークを分析してチーム全体の教育に活かすこともできるためです。
特に、電話での会話は最初の入口になることが多いにもかかわらず、記録に残しにくいのが現状です。まさに、「Notta Memo」のような専用ハードウェアが使えるようになれば、対面の会話だけでなく電話営業の記録を取ることも簡単になるのではないかと、非常に期待しています。
将来的には、Nottaで蓄積された全社の会話データを、ただの記録として終わらせるのではなく、横断的に分析することで、失注分析や新たなサービス開発のヒントを得るなど、会社の新たな「資産」として経営判断に繋げていきたいですね。Nottaは私たちの業務を効率化するだけでなく、会社の成長を加速させるポテンシャルを秘めていると感じています。

株式会社 オープンハウス・ アーキテクト
建築業界特有の「議事録文化」が根強く、長時間労働の大きな要因となっていた。
手作業での文字起こしに会議の2倍以上の時間がかかり、担当者一人あたり月最大18時間を費やしていました。
議事録の品質にばらつきがあり、正確な情報共有ができていなかった。また、担当者はメモを取ることに必死で、議論に集中できていなかった。
現場からは「手書きが勉強になる」というITツールへの抵抗感があった。また、利用人数が読めない中でユーザー課金モデルは導入しにくかった。
高精度なAI文字起こしツール「Notta」を導入し、議事録作成のプロセスを自動化した。
会議内容を客観的なテキストデータとして記録。AI要約などを活用し、誰でも質の高い議事録を残せる環境を整備した。
手間のかかる作業をAIに任せる「共存」を提案し、現場の合意を形成。人数に縛られない柔軟な従量課金プランでスモールスタートした。
月最大18時間かかっていた 議事録作成作業を75%削減(4.5時間に短縮)し、担当者の残業時間を大幅に削減した。
メモの負担から解放され、本来の会議の議論に集中できるようになった。また、部門間の正確な情報共有が円滑になり、組織全体の生産性が向上した。
現場での成功を機に、採用面接のOJTやリスク管理会議など、本社部門へも活用が自然に拡大した。

