
180名 体制 と ”オンライン録画 の 壁” で 品質改善 が ままならない 状況 だった
――まずは、業務の流れと、Notta導入前の課題についてお聞かせください。
花野様: 私たちのサービス「SHElikes」では、入会を検討されている方向けに毎日体験レッスンを開催しています。レッスン後半の約1時間をお客様一人ひとりのキャリアの悩みに深く向き合う個別カウンセリングに充てており、この重要な役割を約180名のキャリアプランナーさんが担っています。
滝澤様: お客様は、看護師や保育士、専業主婦の方など、本当に様々な背景をお持ちです。新しい挑戦への不安を抱えていたり、何に悩んでいるかすら分からなかったりする方もいらっしゃいます。私たちは、その方の人生を変える大きな意思決定を後押ししたいという強い想いを持ってカウンセリングに臨んでいます。
森様: そのため、プランナーの皆さんには、お客様の心を開くカウンセリングの手法から補助金などの事務的な知識まで、非常に多くの情報をインプットしてもらう必要があります。この膨大なマニュアルを180名全員に浸透させ、カウンセリングの品質を高いレベルで揃えることが、組織としての大きな課題でした。
――180名となると、教育や品質管理だけでも大変な労力がかかりそうですね。
森様: その通りです。さらに技術面でも重大な課題を抱えていました。個別カウンセリングに使用していたツールの「ブレイクアウトルーム」機能は、クラウドレコーディングに対応していないのです。そのため、当初は各プランナーが自身のPCにローカル録画し、それを手作業でアップロードするというフローを想定していました。
しかし実際に運用してみると、アップロードの手間やPC負荷も大きく、結果的にほぼ全件の録画が取得できていないという衝撃的な状況だったのです。 これでは、お客様との間で万が一トラブルが起きても確認できませんし、カウンセリングの品質向上のための振り返りや成功事例の共有・分析もできない状態で、まさに組織としての成長が止まってしまう危機感を覚えていました。
決め手 は 「ブレイクアウトルーム録画」。 技術面 と 料金面 の 制約 を 解決する 唯一 の 選択肢 が Notta だった
グロース本部 事業推進ユニット キャリアプランナー 滝澤 由香里様
――録画がほぼゼロの状態から、どのように解決策を探されたのでしょうか。
森様: まずは複数の営業支援系SaaSツールを検討しましたが、先程もお話したように、私たちの課題はかなり特殊でして、最大の壁はやはり「ブレイクアウトルームを録画できない」という点でした。
多くのツールは録画用のBotをミーティングに参加させる仕組みですが、これらのBotはブレイクアウトルームには参加できません。この問題を解決できるツールがなかなか見当たらなかったんです。
その中で、NottaならブレイクアウトルームにBotが入室して録画が可能と知り、これだと思いました。
滝澤様: お客様への心理的な配慮という点も大きかったです。レコーディング通知の音声はお客様を緊張させてしまうことがありますが、Nottaはより自然な形で記録を開始できるため、お客様の心理的なハードルが下がり、心を開いてお話しいただけるようになったと感じています。
――技術的な課題解決が最大の決め手だったのですね。コスト面はいかがでしたか?
森様: コストパフォーマンスも非常に重要な判断基準でした。録画・文字起しツールはユーザー数による課金モデルが一般的ですが、180名という大所帯では現実的なコストではありません。
実はNottaの代わりにプランナー全員を既存のオンライン会議ツールの有料会員にすることも考えましたが、当時、それらのツールには高精度な文字起こし機能はなく、結局自分たちでシステムを構築する手間と時間という別のコストが発生してしまうんです。その点、時間単位で契約し、人数にかかわらず組織で利用できるNottaの料金プラン(※1)は私たちの体制とやりたいことに非常にマッチしていました。
(※1:エンタープライズプラン料金の場合)
――データ活用という観点での評価はいかがでしたか?
森様: 私たちは月に何千件と実施する体験レッスンの会話データを、サービスの品質向上に繋がる重要な「資産」と捉えています。そのため、録画データや文字起こしデータを自社のデータベースへ連携して分析できる拡張性は必須条件でした。
外部でデータを扱えないサービスもある中で、Nottaは多くのクラウドサービスとデータ連携可能なため、私たちが目指す”データ分析に基づいた品質改善”が実現できると感じ、導入に踏み切りました。
新人教育 から 「マイメン度」 の 可視化まで。 データ が 組織 の 資産 に 変わった
グロース本部 事業推進ユニット グループマネージャー 花野 あかり様
――Notta導入後、組織にはどのような変化がありましたか?
花野様: 最大の変化は、見たいカウンセリング録画にいつでもすぐにアクセスできるようになったことです。以前はアップロードの依頼や確認にかかっていた工数がゼロになり、非常に管理も楽になりました。
また、その週に特に良かった事例や逆に課題となった事例をチーム全体で視聴し「なぜこの提案がお客様に響いたのか」などを深く、具体的に学べるようになりました。良かったカウンセリング事例と、伸びしろのあるカウンセリングの差分など、文字起こしがあることで分析しやすくなったと感じています。
この録画は新人教育にもフル活用できています。上手なプランナーさんのカウンセリング事例をそのままインプット教材として見せることで、新人の立ち上がりは格段に早くなりました。デビュー後も、本人の録画を見ながら密にフィードバックを行うことで、成長を力強くサポートできています。
滝澤様: 私自身も、うまくいかなかったカウンセリングを振り返り、「どのヒアリングが足りなかったのか」「このタイミングで別の提案はできなかったか」を確認するために自分の録画を見返しています。感覚的な反省ではなく、事実に基づいた振り返りができるようになったのは大きな進歩です。
――現場のプランナーの方々からは、どのような声が上がっていますか?
森様: データ活用に関して、面白い試みが生まれています。Nottaの要約テンプレートをカスタマイズし、「マイメン度(お客様とどれだけ親密な関係を築けたか)」という独自の指標を点数化するプロンプトを導入しました。
現場のプランナーからは「どの分野の点数が高かったのかを分析しながら次のカウンセリングに活かすのが楽しい!」 というポジティブな声も届いており、楽しみながら品質向上に取り組む文化が醸成されつつあります。
音声 の リアルタイム 活用 へ。 データ と 人 の 力で、 女性 の キャリア に伴走する 未来
プロダクト本部 開発ユニット長 森 久太郎様
――今後の展望についてお聞かせください。
森様: まず、私たちはカウンセリングの冒頭でお客様との信頼関係を築き「キャリア課題を共にする理解者であり、理想のキャリア実現に伴走するパートナーである“マイメン”になる」というプロセスを何よりも大切にしています。AIで全てを置き換えるのではなく、プランナー一人ひとりの人間性を最大限に活かしながら、それをデータとテクノロジーで後押ししていくのが私たちの理想です。
その上で、今後はよりリアルタイムな音声活用を目指したいです。例えば、会話の流れをAIが解釈し、お客様に響きそうな提案をプランナーの画面にそっと提示するような機能です。
音声データを扱う専門的な技術に関してはプロであるNottaを信頼しています。私たちの技術基盤や事業ロードマップと、Nottaのプロダクト開発を重ね合わせながら、柔軟な発想や議論ができるパートナーシップは非常に心強いです。
これからもNottaと共に”音声”という非構造データを活用しながら、1人でも多くの女性の「一歩踏み出す勇気」に繋げていきたいと考えています。

SHE 株式会社
約180名の業務委託プランナーを一定水準に教育するコストと管理業務が大きな負担だった
カウンセリングに使用するZoomの「ブレイクアウトルーム機能」ではクラウド録画ができず、ほぼ全件の記録が取得できていない状態だった
ユーザー課金制のツールはコストパフォーマンスが合わず、自社での環境構築も現実的ではなかった
Web会議の文字起こし機能で、これまで不可能だったブレイクアウトルーム録画ができる体制を構築
全プランナーが利用できる柔軟な料金体系と、データベースへのスムーズな連携を実現
180名の各プランナーが実施したカウンセリングデータがすべて保存でき、即時アクセスが可能になったことで管理工数が大幅に削減された
優れた事例を新人教育に活用し、オンボーディングの質が向上した
録画データと文字起こしの分析により、データに基づいた品質改善が可能になった