デジタル化が進む現代において、企業の成長には顧客との効果的なコミュニケーションが不可欠です。しかし、マーケティングや営業、カスタマーサービスと、それぞれの部門がバラバラのツールを使用しているために、情報共有が滞り、顧客体験を損ねているケースも少なくありません。そこで注目されているのが、これら全ての顧客接点を一元管理できるプラットフォーム「HubSpot(ハブスポット)」です。

今回は「HubSpot」に焦点を当て、その概要や主な特徴・強み・プロダクトライン、他のCRMツールとの比較、導入時の流れ・ポイント、代理店から導入するメリット・ポイント、導入事例などについて解説します。現在HubSpotを利用している方や、今後利用を検討している方はぜひご一読ください。

HubSpotとは?

HubSpot(ハブスポット)とは、マーケティングや営業、カスタマーサービス、Webサイト管理などを統合し、顧客とのあらゆる接点を一元管理できるクラウド型プラットフォームです。顧客関係管理(CRM)を基盤としており、顧客とのあらゆる接点から得られる情報を一元管理、部門間の連携をスムーズにすることで、顧客体験の向上とビジネスの成長を支援します。世界中で20万社以上の企業に導入されており、特にインバウンドマーケティングを重視する企業から定評があります。

HubSpotの主な特徴・強み

ここでは、HubSpotの主な特徴・強みについて5点ご紹介します。

1

CRMに関するオールインワン統合プラットフォーム

マーケティングや営業、カスタマーサービス、Webサイト、オペレーションといった各機能が連携し、顧客データを中心に統合されています。これにより、ツールをまたいだデータのやり取りが不要になり、業務効率が向上します。基本的なCRM機能は無料で提供され、これを基盤として必要な機能を追加していく形式です。

2

強力なインバウンドマーケティング支援

HubSpotは、リード獲得から育成、顧客化までの一連のプロセスを効率化する機能が充実しています。従来の企業側からのプッシュ型ではなく、顧客のニーズに合わせた情報提供を通じて、顧客が自ら課題解決のために企業を見つける仕組みを構築でき、SEOやコンテンツマーケティング、メールマーケティング、SNS連携など、多岐にわたるマーケティング施策で役立ちます。

3

自動化による業務効率化

HubSpotには、マーケティングオートメーションや営業自動化、カスタマーサービス自動化など、さまざまな自動化機能が充実しています。ワークフロー機能でメール送信やフォローアップ、タスク管理などを自動化したり、営業やサポートの担当者に自動でタスクを割り当てたり、重要なアラートを自動で通知したりすることで、営業やカスタマーサポートの負担を軽減、対応漏れを防ぎます。

4

直感的で使いやすいUI/UX

HubSpotは専門知識がなくても操作できるように設計されており、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で誰でも簡単に利用可能です。そのため、ITリテラシーが高くない担当者でも比較的容易に使い始められるため、導入後の定着がしやすいでしょう。

5

高度な分析とレポート機能

HubSpotには、各活動の成果を詳細に分析し、データに基づいた意思決定を支援する機能も充実しています。例えば、各部門や目的に合わせてダッシュボードをカスタマイズし、必要なKPIをリアルタイムで確認。アトリビューションレポートで、どのチャネルやコンテンツが売上や成果に貢献したかを可視化し、投資対効果を正確に把握できます。

HubSpotの主なプロダクトライン

HubSpotは主なプロダクトラインとして「7つ」のプラットフォームを提供しています。ここでは、それぞれの特徴について簡単にご紹介します。

1

HubSpot CRM|顧客関係管理プラットフォームの中核

HubSpot CRM

(出典:HubSpot CRM

概要:

HubSpot CRMとは、顧客関係管理プラットフォームの中核をなすツールです。顧客とのあらゆる接点や情報を一元的に管理し、各部門が連携して顧客との良好な関係を築くことによるビジネス成長の促進を目的としています。

機能:

  • 顧客情報の一元管理

  • 営業パイプラインの可視化

  • インバウンドマーケティング

  • カスタマーサービスの強化

  • データ分析とレポート

特徴:

  • 顧客・見込み客の連絡先情報や過去のやり取り、行動履歴などを1つのデータベースで管理可能。チーム全体で顧客情報を共有し、顧客との関係性を深く理解しやすく

  • メール・コミュニケーションの自動記録やタスクの自動リマインダー、顧客行動に応じたパーソナライズメール送信など、手作業の負担を減らしつつ効果的なアプローチが可能に

  • フォーム作成やランディングページ作成、Eメールマーケティング、SNS広告管理など、リード獲得や育成に役立つ機能が充実

料金:

  • 無料

  • 1,080円/月/シート(Starter Customer Platform)

2

Marketing Hub|マーケティングに特化したMAツール

Marketing Hub

(出典:Marketing Hub

概要:

Marketing Hubとは、企業のマーケティング活動をサポートするマーケティングオートメーションツールです。HubSpot CRMを基盤とし、企業が見込み客の獲得や育成、そして顧客化までの一連のマーケティング活動を効率化・自動化することを目的としています。

機能:

  • メールマーケティング(自動配信、A/Bテストなど)

  • ランディングページ(LP)作成・フォーム作成

  • ブログ作成・管理・SEO対策・SNS管理

  • 広告管理・分析

  • マーケティングオートメーション(MA)

特徴:

  • HubSpotのCRMと連携し、顧客情報や行動履歴を一元管理できるため、マーケティングと営業、サポート間の連携がスムーズに

  • ブログやランディングページ、SEO、SNS、広告運用など、インバウンドマーケティングに必要な機能がそろっており、自社ファンや見込み客との関係構築がしやすい

  • マーケティング活動の成果やリードの行動履歴を分析・レポート化でき、データに基づく意思決定を可能に

料金:

  • 96,000円/月(Marketing Hub Professional)

  • 432,000円/月(Marketing Hub Enterprise)

3

Sales Hub|営業業務に特化した支援ツール

Sales Hub

(出典:Sales Hub

概要:

Sales Hubとは、営業支援(SFA)および顧客関係管理(CRM)ツールです。営業活動の効率化と自動化を促進し、リードから顧客への転換プロセスをスムーズに進め、最終的に売上向上に貢献することを目的としています。

機能:

  • 取引・パイプライン管理・タスク管理

  • 営業担当者のパフォーマンス分析

  • ミーティング予約・メールトラッキング・通知

  • セールスオートメーション

  • 見積書作成

特徴:

  • 顧客情報や商談、コミュニケーション履歴を一元的に管理でき、営業パイプラインで進捗状況を可視化。商談の抜け漏れ防止や効率的な営業活動を可能に

  • メールやタスク、フォローアップなど定型業務を自動化。営業担当者の手間を減らして戦略的な活動に集中できる

  • 営業成績や目標進捗をリアルタイムで把握。KGI・KPIの管理や売上予測を行い、営業活動の最適化を支援

料金:

  • 10,800円/月/シート(Sales Hub Professional)

  • 18,000円/月/シート(Sales Hub Enterprise)

4

Service Hub|顧客サポートやカスタマーサクセス業務を効率化・高度化

Service Hub

(出典:Service Hub

概要:

Service Hubとは、カスタマーサービスおよびカスタマーサクセスをサポートする管理プラットフォームです。顧客からの問い合わせ対応や問題解決、フィードバック収集、自己解決支援など、カスタマーサービスに必要なさまざまな機能を統合。顧客体験を向上させ、顧客の満足度と定着率を高めることを目的としています。

機能:

  • チケット管理(顧客からの問い合わせ管理)

  • Webチャット・共有受信トレイ

  • FAQ(よくある質問)データベース

  • 顧客フィードバック管理・顧客満足度調査

  • サポートの自動化

特徴:

  • 24時間対応可能なWebチャットやAIチャットボットを活用することで、時間外や深夜でも顧客対応が可能に。顧客体験の向上が期待できる

  • メールやチャット、SNSなど複数のチャネルからの問い合わせを一元管理でき、チケットとして進捗を追跡しやすいため、対応漏れや遅延を防止できる

  • 対応件数や顧客満足度スコア、アンケート結果など多様なデータを分析し、PDCAサイクルでサービスの質を継続的に向上

料金:

  • 10,800円/月/シート(Service Hub Professional)

  • 18,000円/月/シート(Service Hub Enterprise)

5

Content Hub|AIを活用したコンテンツ管理プラットフォーム

Content Hub

(出典:Content Hub

概要:

Content Hubとは、コンテンツ管理システム(CMS)とコンテンツマーケティングツールを統合したプラットフォームです。Webサイトの構築・運用だけでなく、ブログやランディングページ、SNS投稿など、あらゆるコンテンツの企画や作成、管理、最適化、そして分析までを一元的に行えます。

機能:

  • Webサイト構築・カスタマイズ(ノーコードで作成可能)

  • ブログ記事・Webページ管理

  • SEO最適化と分析機能

  • 適応型テスト(A/Bテスト)

  • AI搭載のコンテンツ生成・リミックス機能

特徴:

  • ドラッグ&ドロップによる編集や豊富なテンプレートにより、プログラミング知識がなくてもWebサイトやブログ、ランディングページを簡単に作成・管理

  • AIによる記事生成やアウトライン提案、既存コンテンツのリミックス機能などで、効率的かつ効果的なコンテンツ制作が可能

  • SEOアドバイスや検索エンジン向けの最適化、トラフィック・リード獲得の分析機能が標準で備わっており、検索上位表示やマーケティング効果の可視化がしやすい

料金:

  • 54,000円/月(Content Hub Professional)

  • 180,000円/月(Content Hub Enterprise)

6

Operations Hub|企業のデータ管理・業務自動化・システム連携を強化

Operations Hub

(出典:Operations Hub

概要:

Operations Hubとは、主にオペレーションチームやシステム管理者向けに設計された運用支援ソフトウェアです。各部門を横断して、データとプロセスを統合し、企業全体の業務効率化やデータ品質の向上、そしてシステム間の連携強化を目的としています。

機能:

  • 顧客データの同期・整理

  • 業務プロセスの自動化

  • データクレンジング

  • 他ツールとの連携強化

  • ビジネスオペレーションの効率化とデータ管理

特徴:

  • 複数のシステムやアプリ間で顧客データをリアルタイム・双方向に自動で同期し、常に最新かつ正確な情報を一元管理

  • 重複データの自動検出・統合や、データのクレンジングを自動化し、データの信頼性と一貫性を向上

  • ワークフローやトリガー設定、プログラマブルオートメーションにより、複雑なビジネスプロセスも柔軟に自動化

料金:

  • 86,400円/月(Operations Hub Professional)

  • 240,000円/月(Operations Hub Enterprise)

7

Commerce Hub|B2B向けのコマース管理ソフトウェア

Commerce Hub

(出典:Commerce Hub

概要:

Commerce Hubとは、B2BおよびECビジネス向けのコマース支援ソフトウェアです。企業が支払いや請求、サブスクリプション管理などをプラットフォーム内で直接行えるように設計されており、顧客の購買プロセス全体を統合・効率化を目的としています。

機能:

  • 決済リンクの発行と支払い管理

  • 請求書・見積もりの作成・送付・管理

  • サブスクリプション管理

  • 自動化とワークフロー

  • 収益レポート

特徴:

  • 見積もり・請求書の発行、決済リンクの送付、サブスクリプション管理など、商談から収益化までのプロセスを1つのプラットフォームで一元管理。業務効率が大幅に向上

  • ワークフローやトリガーを活用し、請求書の発行やフォローアップなど定型業務を自動化することで、ヒューマンエラーを防ぎ、作業時間を短縮

  • サブスクリプション契約の更新や請求サイクルの管理も自動化でき、顧客対応や収益管理がスムーズに

料金:

  • 要相談

HubSpotと他のCRMとの比較表

では具体的に、HubSpotと他のCRMとでは、どのような違いがあるのでしょうか。おおまかな比較表を作成したので、参考までにご確認ください。

 

HubSpot CRM

Salesforce CRM

Zoho CRM

Adobe Marketo Engage

Zendesk Sell CRM

主な強み

インバウンドマーケティングを軸にしたオールインワンCRM。使いやすさと部門連携に強み

圧倒的な機能と拡張性で、あらゆる規模・複雑なビジネスに対応できるCRM。AI活用にも強み

手頃な価格で多機能を提供。Zohoの他アプリとの統合性が高く、コストパフォーマンスが優秀

BtoB向けに特化した、高度なMAツール。リードナーチャリングと顧客ジャーニーの最適化に強い

営業担当者の利便性を追求したSFA/CRM。Zendeskの顧客サポート製品との連携がスムーズ

主な機能

・無料CRM

・マーケティング自動化

・AIコンテンツ作成

・ミーティングスケジュールの設定

・Eメールテンプレート作成ツール

・リード/アカウント管理

・AIリードスコアリング

・商談パイプライン管理

・ワークフロー/承認自動化

・AppExchangeによる拡張性

・リード/コンタクト/アカウント管理

・SFA/営業支援

・営業分析/マーケティングオートメーション

・ワークフロー自動化

・カスタムダッシュボード

・マーケティング自動化

・アカウントインサイト/プロファイリング

・AI予測スコアリング

・データクレンジング

・コンプライアンス対応

・サポートチケット管理システム

・メッセージングとチャット

・ヘルプセンター(FAQ)の構築

・電話サポートの導入

・コミュニティフォーラムの構築

向いている企業

インバウンドマーケティングを強化したい中小/スタートアップ企業

複雑なビジネスプロセスを持ち、高いカスタマイズ性と豊富な連携アプリを求める大企業

予算を抑えつつCRMを導入。シンプルで分かりやすい機能と操作性を求める中小企業

高度なMAを導入し、リード育成を強化したいBtoB企業

モバイルでの営業活動が多く、複雑な機能よりも営業活動の効率化と管理に焦点を当てたい中小企業

価格目安(月額/年額契約)

・無料ツール

・Starter Customer Platform:1,080円/シート


※追加シートや機能、ツールごとに料金は変動

・Starter Suite:3,000円/ユーザー

・Pro Suite:12,000円/ユーザー

・大企業:19,800円/ユーザー

・Unlimited:39,600円/ユーザー

・Agentforce 1 Sales:66,000円/ユーザー


※カスタマイズ・拡張により変動

・Free:無料

・Standard:

1,680円/ユーザー

・Professional:2,760円

/ユーザー

・Enterprise: 4,800円/ユーザー

$40/ユーザー

・Ultimate:6,240円/ユーザー

・Growth/Select/Prime/Ultimate:要問い合わせ

・Suite Team:$19/ユーザー

・Suite Growth:$55/ユーザー

・Suite Professional:$115/ユーザー

・Suite Enterprise: $169/ユーザー

HubSpotを導入する際の流れとポイント

ここでは、HubSpotを導入する際の流れとポイントについて3つのステップで簡単にご紹介します。

1

導入前の準備:目標設定と現状分析

まず導入前の準備として、目標設定と現状分析がとても大切です。

【流れ】

  1. 目標とKPIの設定:

    • HubSpot導入で何を達成したいのか、具体的な目標を設定

    • 目標達成度を測るための具体的なKPIを定義

  2. 現状のビジネスプロセスと課題の洗い出し:

    • 各部門の各プロセスを詳細に棚卸し、ボトルネックや非効率な点を特定

    • 使用しているツールやデータ管理方法、部門間の連携状況などを把握

  3. 社内体制の構築:

    • 導入プロジェクトの責任者と担当者を明確に

    • HubSpotを導入する部門の関係者と連携体制を構築

  4. 予算の確保:

    • HubSpotのライセンス費用や導入支援費用、必要に応じたコンテンツ制作費用などを明確にし、予算を確保

2

導入フェーズ:設計と初期設定

次に、導入フェーズとして設計と初期設定を意識しましょう。

【流れ】

  1. 導入計画の策定:

    • 具体的な導入スケジュールや担当者の役割分担、各フェーズでの成果物を定める

    • 代理店を利用する場合は、この段階で代理店と密に連携し、計画を共有

  2. HubSpotアカウントの開設と初期設定:

    • アカウントを作成し、HubSpotの基本設定を行う

    • 対象とするHubを選定・契約

  3. データ移行と整備:

    • 既存のCRMやスプレッドシートなどから、顧客データをHubSpotに移行

    • データの重複排除やフォーマットの統一など、データクレンジングを行い、データの品質を確保

    • プロパティの設計と設定を行う

  4. Webサイト連携とトラッキングコードの設置:

    • 自社WebサイトにHubSpotのトラッキングコードを設置し、訪問者の行動データを収集できるように

    • フォームやCTAをHubSpotで作成し、Webサイトに埋め込む

3

運用フェーズ:実行と最適化

運用フェーズでは実行と最適化が重要です。

【流れ】

  1. 各Hubの機能を活用:

    • Marketing Hub/Sales Hub/Service Hubなど

  2. 社内への浸透と教育:

    • 実際にHubSpotを使用する担当者へのトレーニングを実施

    • 使い方マニュアルの作成や定期的な勉強会の開催などを通じて、社内での活用を促進

    • 成功事例を共有し、モチベーションを高める

  3. 効果測定と分析:

    • HubSpotのレポート機能やカスタムレポートを活用し、設定したKPIの達成状況を定期的に測定・分析

    • マーケティングキャンペーンのROIや営業パイプラインの健全性、顧客満足度などを可視化

  4. 改善と最適化:

    • 測定結果に基づき、戦略や施策の見直しやHubSpotの設定変更、ワークフローの改善などを行う

    • A/Bテストを実施し、効果的な施策を発見

HubSpotを代理店から導入するメリット

HubSpotは多機能で強力なツールですが、ただ導入するだけでは成果は出ません。代理店は、単なるツールの設定代行に留まらず、以下の3つのようなサポートを提供します。

1

戦略設計から運用・改善まで一貫した伴走支援

代理店は企業の目標や課題を深く理解し、それに基づいた具体的な戦略を立案します。貴社のビジネスプロセスに合わせてHubSpotを設定し、必要なデータの移行や各種Hubの連携、ワークフローの構築など、最適な環境を構築してくれるでしょう。また、導入後の運用フェーズにおいても、効果測定に基づいた改善案や、新たな施策の企画・実行をサポートしてくれる代理店もあります。

2

専門知識と豊富な実績に基づいたノウハウを提供

代理店はHubSpotの製品知識が深く、各機能の特性や組み合わせ方を熟知しています。多数のHubSpot導入・運用実績があるため、貴社の業界やビジネスモデルに合わせた成功事例やノウハウを提供してくれるでしょう。これにより、試行錯誤の期間を短縮し、早期の成果が期待できます。

3

限られた社内リソースの最適化

HubSpotの導入初期には、システムのセットアップや既存データの移行、プロパティ設定など、多くの手間がかかります。代理店に依頼することで、これらの煩雑な作業を任せ、社内リソースを本来の業務に集中できます。また、代理店が運用の一部または全部を代行することで、社内担当者の負担を軽減し、人件費の削減も期待できます。

HubSpotを代理店から導入する際のポイント

ここでは、HubSpotを代理店から導入する際のポイントについて3点ご紹介します。

1

代理店の専門性と実績を見極める

HubSpotパートナーは数多く存在し、得意分野や実績はそれぞれ異なります。

【ポイント】

  • HubSpotの専門性(認定資格):

HubSpotには「Solutions Partner Program」という代理店向けのプログラムがあり、上位のティアほど豊富な導入実績と高い専門性を持っている傾向がある

  • 業界やターゲット顧客への理解:

自社の業界や、ターゲットとする顧客層への導入実績が豊富か。業界特有の課題や慣習を理解している代理店は、より的確な提案が期待できる

  • 導入実績と事例:

過去の導入事例や、顧客からの成功事例を具体的に確認。参考になりそうな顧客の声や事例について詳しく質問してみるのも良い

2

提案内容と費用対効果を慎重に評価する

複数の代理店から提案を受け、内容と費用を比較検討しましょう。

【ポイント】

  • 戦略立案・コンサルティング:

単なるツールの設定だけでなく、HubSpotを活用した戦略立案から伴走してくれるか

  • 初期設定・構築支援:

HubSpotアカウントの初期設定やデータ移行、既存システムとの連携の支援範囲など

  • 料金体系の明確さ

初期設定費用や月額費用、成果報酬など、料金体系が明確に提示されているか

3

導入後のサポート体制と教育

HubSpotは日々進化していますし、運用していく中で新たな課題や疑問も出てきます。

【ポイント】

  • トレーニング・オンボーディング

HubSpotの操作方法や運用方法について、社内メンバーへのトレーニングやレクチャーをどのくらい提供してくれるか

  • 継続的な運用支援・改善提案

導入後のレポート分析や効果測定、改善提案、運用代行など、長期的な視点でのサポートがあるか

  • 技術サポート

HubSpotの技術的なトラブルや、運用上の疑問点が発生した際のサポート体制はどうか。日本語でのサポートが充実しているか

HubSpotの導入事例

ここでは、HubSpotの導入事例として、日本企業と海外企業の成功事例を1社ずつご紹介します。

1

国内企業の成功事例:パナソニック インダストリー株式会社(製造業)

パナソニックインダストリー株式会社は、HubSpotを導入し、営業・マーケティングのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進した成功事例として知られています[1]。

【導入の背景と課題】

  • 従来のCMSでは、コンテンツの更新や施策の即時対応に技術的な制約があり、国内外の担当者間でのリアルタイム更新が困難な状況に

  • 顧客情報や営業活動の進捗管理が属人化しており、業務効率の低下や情報共有の滞りが課題

  • 顧客データの収集や分析が不十分で、データに基づいたターゲットマーケティングの精度が低い状況

【導入後の効果】

  • マーケティング施策の実行力が強化され、各地域での施策を統一し、ブランドの一貫性を確保

  • Web経由のリード獲得数が3.5倍に増加し、商談化率の向上に貢献。月間リード獲得数が倍増した事業部もあり、単なる「数」だけでなく「質」の向上も実現

  • アプローチ漏れが解消され、データ活用による戦略的な営業活動が可能に。顧客接点が増加し、営業効率と商談化率が改善

2

海外企業の成功事例:AnyMind Group(シンガポール/IT・マーケティングプラットフォーム)

AnyMind Groupは急速なグローバル展開を進める中で、以下のような課題を抱えていましたが、HubSpotの導入を機にそれらの課題は改善され始めました[2]。

【導入の背景と課題】

  • 世界13か国にまたがって事業を展開しており、それぞれの国やチームで個別に管理ツールを利用したり、スプレッドシートを作成したりしていたため、顧客とのコミュニケーション情報が複数箇所に点在してしまっていた

  • 管理が分かれていることで、リアルタイムで全拠点の現状を把握することが難しく、顧客とのコミュニケーションロスが発生

  • 当初はグローバルで導入しているERPシステムで情報の一元管理を試みていたが、より効果的な顧客情報や見込み案件管理の方法を探る必要性も

【導入後の効果】

  • HubSpotをCRMとして活用することで、顧客に関するあらゆる情報を一元的に管理できるように。顧客とのコミュニケーションロスが解消され、顧客理解が深まり、よりパーソナライズされたアプローチが可能に

  • HubSpotと会計システムであるNetSuiteとの連携プロジェクトを実施し、業務効率化と精度向上を目的としたデータ連携を実現。これまで手作業で行っていた顧客情報や取引データの入力作業が効率化され、組織拡大に伴う対応量増加や伝達ミスによる誤入力・修正といった課題が解決

  • HubSpotを活用したCRM導入プロジェクトにより、海外拠点では400%超の売上成長を実現したという事例も

HubSpotとAI文字起こしサービス「Notta」との連携で作業をさらに効率化!

Notta

(出典:Notta

Notta(※)とHubSpotとの連携は、顧客接点のさまざまな部門において、情報共有の促進や業務効率の向上、そして最終的な顧客満足度とビジネス成果の最大化に貢献します。AIによる文字起こしとCRMの強力な組み合わせを活用し、ビジネスをさらに効率化してみてはいかがでしょうか。

【NottaとHubSpotの連携によるメリット】

  • Nottaで生成された会議の文字起こしやAI要約を、HubSpotのコンタクトや取引に直接転送できるため、手動で情報をコピー&ペーストする手間を省ける。これにより、営業担当者やカスタマーサービス担当者は、記録作業にかかる時間を大幅に削減し、より価値の高い業務に集中できるようになる

  • 会議内容が自動で記録・転送されるため、記録ミスや漏れを防止できる。常に最新情報がHubSpotに反映されることで、現場と管理部門の連携や意思決定のスピードも向上

  • 会議記録や要約がHubSpot上で共有されることで、複数の部門が同じ情報をリアルタイムで把握。チーム間の認識ズレやコミュニケーションロスを防ぎ、連携強化につながる

ーーー

※Nottaは、98.86%という高い精度で音声をテキスト化し、1時間分の音声データをわずか5分で文字起こしできるAIツールです。日本語や英語を含む58言語に対応しており、リアルタイムでの文字起こしはもちろん、音声ファイルや動画ファイルをアップロードしての文字起こしもできます。文章の自動要約や翻訳、校正機能も搭載。文字起こしデータは、DOCXやTXT、XLSXなど多様なファイル形式でエクスポートできるため、さまざまな用途で活用できます。

まとめ:HubSpotを活用して営業・マーケティングを最大化!

今回は「HubSpot」に焦点を当て、その概要や主な特徴・強み・プロダクトライン、他のCRMツールとの比較、導入時の流れ・ポイント、代理店から導入するメリット・ポイント、導入事例などについて解説しました。

HubSpotを導入することで、企業は部門間の壁を取り払い、顧客との関係性を深化させ、結果として顧客体験全体の向上と売上拡大が期待できます。今日のデジタル化されたビジネス環境において、HubSpotは企業が競争優位性を確立し、持続的に成長するための強力なビジネスパートナーとなるでしょう。自社のビジネス課題を解決し、さらなる成長を目指すためにも、この機会にHubSpotの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献

[1]【HubSpot導入事例】アナログ・デジタルのハイブリッドで顧客体験を向上させ「徹底的にお客様とつながる」営業DXの挑戦~パナソニック インダストリー株式会社~,https://www.hubspot.jp/case-studies/panasonic-industory

[2]【HubSpot導入事例】海外拠点では400%超の売上成長を実現!グローバルで取り組んだCRM導入プロジェクトの裏側~AnyMind Group~,https://www.hubspot.jp/case-studies/anymindgroup

Chrome拡張機能10選

Nottaが選ばれる理由は?

① 日本語特化のAIで業界トップの文字起こし正確率が実現、複数言語の文字起こしと翻訳も完璧対応

② 驚いほどの認識速度で文字起こし作業効率化が実現、一時間の音声データがただの5分でテキスト化

③ 国内唯一のGM・Zoom・Teams・Webex連携できるAI会議アシスタント、事前の日程予約から会議を成功に導く

④ AI要約に内蔵されるAIテンプレートで会議の行動項目、意思決定やQ&Aなどを自動作成
(カスタム要約テンプレートでインタビューや営業相談など様々のシーンでの効率化を実現)

⑤ 一つのアカウントでWeb、APP、Chrome拡張機能が利用でき、データの同期と共有はカンタン

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