取締役会の議事録とは?必要となる基本項目と作成のコツを全面解説

取締役会の議事録は、会社法で作成が義務付けられています。そのため議事の内容を正確に記録することが求められる一方で、効率的な議事録作成も必要です。

今回は、取締役会議事録の概要や普通の議事録との違い、取締役会議録に記入すべき項目などを解説します。限りあるリソースを最大限に生かすため、効率的な議事録作成に役立つツールも紹介します。

5分程度で読めますので、ぜひ最後までご覧ください。

取締役会議事録とは

はじめに、取締役会議議事録についての理解を深めましょう。ここでは取締役会議議事録の概要や、取締役会の目的と機能、頻度や作成責任者などのほか、取締役会議議事録の役割も解説します。

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取締役会議事録とは

取締役会議事録とは、取締役会で行われた議論や決議内容を記録した文書のことです。会社法により、取締役会の議事内容は議事録を作成し保存しておくことが義務付けられています。

この議事録には、以下の項目を記載します。

  • 会議の日時や場所

  • 出席した取締役の氏名

  • 議題

  • 議事の経過

  • 結果

  • 反対意見

取締役会議事録は取締役会における意思決定プロセスを明確にするだけでなく、決定事項を記録に残すことで後日の検証や証拠としての役割を果たします。また適切に作成され保管されることで、取締役の善管注意義務の履行を示すことにもつながります。

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取締役会の目的と機能

取締役会とは、会社の業務執行に関する意思決定を行う会社の重要機関です。

経営の基本方針や事業計画の決定、取締役の職務執行の監督、重要な財産の処分や多額の借財の決定など、会社経営における重要事項の意思決定を行います。また代表取締役の選定や解職、支配人その他の重要な使用人の選任・解任なども取締役会の重要な役割の一つです。

取締役会では多様な視点からの意見を集約し、適切な意思決定を行うことが求められます。そのため、取締役会の議事内容を正確に記録した議事録の作成が不可欠です。議事録によって、決定に至る過程や根拠が明確になり、取締役の責任の所在も明らかになります。

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取締役会議事録の役割

取締役会議事録は、取締役会における意思決定の過程と内容を記録し、後日の検証や証拠として機能します。取締役会で討議された内容や決議事項を明確に記録することで、会社の重要な意思決定の経緯を残します。これにより、決定に至った理由や根拠を後から確認することが可能です。

また議事録には、各取締役の発言内容や決議に対する賛否が記載されるため、個々の取締役の意思決定に対する責任の所在が明らかになります。さらに、適切に作成された取締役会議事録は、会社の意思決定の正当性を証明する法的な証拠としての効力を持ちます。

加えて株主や債権者など、利害関係者からの要求に応じて議事録を開示することで、会社運営の透明性を確保します。取締役会議事録は、会社の意思決定を記録しその正当性を担保する重要な役割を担っているのです。

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取締役会議事録の頻度

取締役会は、定款や取締役会規則で定められた頻度で開催されますが、一般的には月1回程度の開催が一般的です。ただし緊急の議題がある場合や、重要な意思決定が必要な場合には、臨時の取締役会が開催されることもあります。

取締役会議事録は、開催された取締役会ごとに作成する必要があります。つまり定期的に開催される取締役会はもちろん、臨時に開催された取締役会についても、必ず議事録を作成しなければなりません。

また取締役会議事録は、取締役会の開催後、遅滞なく作成することが求められます。具体的な期限は法律で定められていませんが、できるだけ早期に作成し、出席した取締役の署名または記名押印を得ることが望ましいとされています。

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取締役会議事録の作成責任者

取締役会議事録の作成責任者は、会社法上、明確に定められてはいません。以下のいずれかの者が作成することが一般的です。

  • 取締役会で選任された議事録作成者

取締役会の決議により、特定の取締役や監査役、社員などを議事録作成者に選任する方法です。

  • 代表取締役

会社を代表する立場である代表取締役が、議事録の作成責任を負うケースもあります。

  • 社外取締役や監査役

議事録の客観性や正確性を担保するために、業務執行に直接関与していない社外取締役や監査役が作成する場合もあります。

  • 事務局や総務部門

取締役会の運営を支援する事務局や総務部門が、議事録の作成を担当することもあります。ただしこの場合も、取締役会の監督下で作成されます。

議事録の作成者は、会社の実情に応じて、適切な人物を選任することが重要です。作成者は取締役会に出席し、議事の経過を正確に理解している必要があります。また議事録の内容に責任を持ち、適切な形式で作成できる能力も求められます。

取締役会で議事録作成の重要性

取締役会における議事録の作成は、単なる事務的な作業ではありません。会社の重要な意思決定の記録であり、その正確性と適切な管理は、会社運営の透明性と健全性を確保する上で欠かせません。ここでは、取締役会で議事録を作成することの重要性について、詳しく見ていきましょう。

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議事内容の明確化

取締役会では、会社の経営に関する重要事項が討議され決定されます。議事録はこれらの議論の内容を明確に記録することで、決定に至った過程や根拠を明らかにします。

議事録には議題ごとに、提案内容や討議された主な意見、決議の結果などが具体的に記載されます。取締役会で何が話し合われ、どのような判断に基づいて意思決定がなされたのかを後から確認することが可能です。

特に決議に反対した取締役の意見や、重要な指摘事項なども漏れなく記録することが重要です。これは、取締役の善管注意義務の履行を示す証拠にもなります。

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意思決定の証拠化

取締役会で決定された事項は、会社の業務執行に直結する重要な意思決定です。議事録は、この意思決定の内容を証拠化する役割を担っています。

会社法上、取締役会議事録は決議の有無や決議に参加した取締役の氏名などを記載し、出席した取締役が署名または記名押印することで正式な証拠書類としての効力を持ちます。この議事録は、決議の存在や内容を証明する法的な証拠となるため、決議の有効性を争う訴訟などにおいて重要な役割を果たします。

さらに税務調査や会計監査などの場面でも、意思決定の適正性を示す証拠として活用されます。取締役会議事録は、意思決定の内容を証拠化することで、会社運営の適法性と妥当性を担保する重要な役割を果たしているのです。

取締役会議事録と普通の議事録の違い

取締役会議の議事録は、会社法によって作成が義務付けられている法定文書です。記載内容や作成方法についても、会社法に定めがあります。一方で普通の議事録は、会議の内容を記録し関係者と共有することを目的としていて、法的な作成の義務はありません。

また取締役会議事録は、取締役会が開催されるたびに作成する必要があります。取締役会議事録には、出席した取締役や監査役の署名または記名押印が必要ですが、普通の議事録にはそのような規定はありません。普通の議事録は、必要に応じて作成しておくだけで問題ありません。

さらに取締役会議事録は、会社の正式な文書として取り扱われ、監査の際などに提出が求められます。法的拘束力のある重要な文書であり、作成・保管に関する規定が厳しいことが特徴です。一方で普通の議事録は、社内で保管しておくのが一般的です。取締役会議事録の位置づけを理解し、適切に作成・管理することが求められます。

取締役会議事録の形式とひな形

取締役会議事録の形式とひな形

取締役会議事録には、一般的に以下のような形式が用いられます。

議事録の冒頭には、取締役会の開催日時、場所、出席した取締役と監査役の氏名を記載します。氏名などを間違えないように、事前に確認しておくと、議事録作成がスムーズにできます。次に、取締役会の議事の経過や結果、決議事項を記載します。特別な利害関係がある取締役がいる場合は、その取締役の氏名も記載する必要があります。

最後に出席した取締役と監査役は、議事録に署名または記名押印を行います。取締役会議事録の作成は会社法で義務付けられており、以下の内容は必ず記載しなければいけません。

  • 議事の経過の要領

  • 取締役会の開催日時・場所

  • 取締役会で述べられた意見

  • 取締役会に出席した取締役、監査役等の氏名・名称

  • 取締役会の議長が存するときは、議長の氏名

  • 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

議事録作成のひな形やフォーマットを活用することで、効率的に作成することができるでしょう。また昨今では議事録の電子化が増加しつつありますので、電子化の方法や、書面決議(みなし決議・決議省略)についても理解しておくとよいでしょう。

取締役会議事録に記入すべき項目と例文

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会議の開催日時と場所

「2024年3月18日午後2時から本社会議室にて開催」など

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出席した取締役と監査役の氏名

議事録の冒頭には、「出席取締役は、〇〇、△△、□□の3名であり、本会議は適法に成立した」といった文言を添えるとよいでしょう。欠席者がいる場合は、その旨も記録しましょう。

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議事の経過

議題ごとに詳細な議論の内容を記載します。議題の趣旨、提案者、質疑応答、決議の結果などを漏れなく記録することが重要です。特に決議事項については、賛成者と反対者の数を明確に記すことが求められます。

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特別な利害関係を有する取締役の氏名

特別な利害関係を有する取締役がいる場合は、その氏名と関係性を記載しなければなりません。例えば「本議案について、取締役〇〇は、△△社の代表取締役を兼任しているため、特別な利害関係を有している」といった形で記録します。

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出席した取締役と監査役の署名または記名押印

議事録の末尾には、出席した取締役と監査役の署名または記名押印が必要です。印鑑は、届出印を使用しましょう。最近では、電子署名による記名も認められています。その場合は、電子署名及び認証業務に関する法律に基づき、適切な方法で行う必要があります。

以上が、取締役会議事録に記載すべき主な項目と例文です。議事録は、会社の意思決定の記録として重要な文書であり、適切に作成・保管することが求められます。書式やひな形を活用しながら、慎重に作成することをおすすめします。

取締役会議事録を作成するポイントと注意点

取締役会議事録を作成する際には、いくつかの重要なポイントと注意点があります。ここでは、その中でも特に押さえておきたい5つの点について解説します。

取締役会議事録は、会社法によって作成が義務付けられている法定文書です。議事録には、会議の日時・場所、出席した取締役・監査役の氏名、議事の経過、決議の結果など、法律で定められた事項を漏れなく記載しなければなりません。記載項目を確認し、抜け漏れがないように注意しましょう。

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議事の経過と結果を詳細に記録する

議事録の主な目的は、取締役会における議事の経過と結果を正確に記録することです。議題ごとに、提案の内容、質疑応答、決議に至る過程などを詳細に記載します。特に、決議事項については、賛成・反対の数や特別利害関係を有する取締役の氏名なども明記する必要があります。

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客観的かつ正確な表現を心がける

議事録は、会社の意思決定の記録であり、後日の参照や証拠としても重要な文書です。そのため、主観的な表現や不正確な記述は避けなければなりません。客観的かつ正確な表現を心がけ、事実に基づいて記載することが大切です。曖昧な表現や誤解を招くような記述は控えましょう。

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署名・記名押印または電子署名を忘れない

議事録の末尾には、出席した取締役と監査役の署名または記名押印が必要です。印鑑は、届出印を使用します。最近では、電子署名による記名も認められていますが、その場合は電子署名及び認証業務に関する法律に基づき、適切な方法で行わなければなりません。署名・押印漏れがないよう、十分に確認しましょう。

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議事録の保管方法にも注意する

作成した議事録は、適切に保管することが求められます。紙媒体の議事録は、鍵のかかる場所に保管し、火災や水害などの危険から守る必要があります。電子データの場合は、バックアップを取り、セキュリティ対策を講じることが重要です。また、議事録は10年間の保存が義務付けられているため、保管期間にも注意しましょう。

議事録作成のスキルは、ビジネスパーソンにとって重要な能力の一つです。書式やひな形を活用しながら、実践を積むことで、徐々に身につけていくことができるでしょう。正確かつ効率的な議事録作成を目指して、日々の業務に取り組んでいきましょう。

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まとめ

今回は、取締役会の議事録作成について解説しました。内容を簡単にまとめると、以下のとおりです。

  • 取締役会の議事録作成は会社法で義務付けられている

  • 決められた記載内容を守る

  • 議事録作成は自動文字起こしサービス「Notta」を活用して効率化できる

取締役会の議事録を作成する際は、議事の内容を正確に残しておかなければいけません。手書きでメモをしてもいいですが、議論内容をもれなく記録しておきたい時は、AI ツールを使うのがおすすめです。自動文字起こしサービス「Notta」は無料でも月120分の文字起こしができます。気になる方は、Notta公式ホームページから試してみてください。

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