新入社員にとって、日報の作成は初めて経験する業務の一つです。「何のために書くのだろう」「どう書けばいいか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。日報は、単なる作業報告書ではありません。あなた自身の成長を促し、上司や先輩との大切なコミュニケーションツールになるものです。

この記事では、新入社員が日報を書く目的から、具体的な書き方の手順、よくある悩みの解決法までを分かりやすく解説します。最後まで読めば、自信を持って日報作成に取り組めるようになります。

新入社員が日報を書く目的

新入社員が日報を書く目的をわかりやすく示した図解。コミュニケーションの強化、課題の特定、振り返りの習慣化、上司の理解促進という4つの目的が家と階段のイラストで表現されている。

上司が状況を正しく把握するため

日報は、上司があなたの状況を正確に知るための重要な情報源です。というのも、上司は多くの部下をマネジメントしており、一人ひとりの業務の進み具合や悩みを常に把握できるわけではありません。

日報を通じてあなたがどの業務にどれくらい時間をかけ、何につまずいているかを具体的に報告できます。そのような情報があることで、上司は的確な助言や手助けをしやすくなるのです。

例えば「〇〇の作業がうまくいきません」と書けば、上司はより詳しい担当者を紹介してくれるかもしれません。あなたの正確な報告が、必要なサポートを引き出すことにつながります。

振り返りの習慣を身につけるため

日報を書くことは、1日の業務を客観的に振り返る習慣を身につける絶好の機会となります。自分の行動と結果を毎日見つめ直すことで、成長の速度を大きく上げられるからです。

  • 「今日の目標は達成できたか」

  • 「なぜあの作業はうまくいったのか」

  • 「次はどうすればもっと良くなるか」

などを文章にすることで、思考が整理されます。この日々の繰り返しが受け身の姿勢から脱却し、自ら考えて行動する力を育てていくのです。最初は難しく感じるかもしれませんが、この振り返りの習慣こそが将来的に大きな力となります。

課題や改善点を早期に発見するため

日報は、仕事を進める上での課題や改善すべき点を早く見つけるのに役立ちます。業務中は気づかなかった問題点も、文章にすることで明確になることが多くあります。

例えば「この入力作業に想定より2時間もかかってしまった」と日報に書いたとします。そうすると「なぜ時間がかかったのか」「もっと効率的な方法はないか」と考えるきっかけが生まれます。

上司もその記述を見れば、「もっと簡単なやり方があるよ」と教えてくれるかもしれません。問題を一人で抱え込まず、早期に解決へ動くために日報を有効に活用しましょう。

社内コミュニケーションを円滑にするため

日報は、上司や先輩社員とのコミュニケーションを活発にするきっかけになります。業務報告に加えて、自分の考えや疑問を書くことで、そこから対話が生まれるためです。

コミュニケーションのきっかけ例期待される反応
質問を書く上司からの回答や、翌日の声かけにつながる
感じたことを書く人柄や意欲が伝わり、親近感を持ってもらえる
うまくいったことを報告する褒めてもらえ、仕事へのやる気が高まる

業務中は忙しくてなかなか話す機会がなくても、日報を通じたやり取りが信頼関係を築く第一歩になります。文章でのコミュニケーションが、結果的に職場での良好な人間関係構築に貢献します。

参考リンク:PHP研究所「業務日報(日誌)で新入社員と先輩・上司の信頼関係をつくる」

新入社員日報の基本項目

新入社員日報の基本項目をまとめたインフォグラフィック。目標設定、業務内容の記録、所感の表現、明日の予定の計画、その他の詳細追加の5つの欄が色分けされたラインで一覧になっている。

今日の目標

1日の業務を始める前に、その日の具体的な目標を設定することが大切です。目標を最初に決めることで、何を目指して仕事に取り組むのかが明確になり業務への集中力が高まります。

目標は「〇〇の資料作成を15時までに終わらせる」「先輩に業務の質問を3つ以上する」のように、具体的で達成可能かどうかが分かるように設定するのがコツです。

一日の終わりに立てた目標に対してどうだったかを振り返ることで、自分の達成度合いを客観的に測れます。この積み重ねが、着実な成長実感と次への意欲につながるのです。

業務内容

業務内容の項目では、その日に行った仕事を客観的な事実として記録します。この記録はあなた自身の働きぶりを振り返る材料になると同時に、上司への正確な報告として機能します。

ただ「研修に参加」と書くのではなく、以下の3つの視点で整理すると、より分かりやすい報告になります。

  • 作業:何をしたか(例:午前中に新人研修に参加。ビジネスマナーについて学んだ)

  • 学び:作業から何を学んだか(例:正しい名刺交換の手順を実践し、身につけた)

  • 成果:学びを活かして何ができたか(例:研修後のテストで満点を取れた)

単なる行動の記録だけでなく、そこから得た学びや成果まで書くことで、内容の濃い報告になります。

所感

所感の欄には、業務を通じて感じたことや考えたことを自由に書きます。ここでは業務報告だけでは伝わらない、あなたの気づきや課題、反省点などを表現することが重要です。

自分の考えを言葉にすることで、仕事に対する主体性や改善意欲を上司に伝えられます。

  • 気づき:お客様は、商品の機能性よりもデザインを重視している傾向があると感じました。

  • 課題:電話応対の際、緊張してしまい、早口になってしまう点が課題です。

  • 反省:次回は、落ち着いて話すことを意識し、メモを取りながら対応します。

業務から得たあなた自身の意見や考えを書くことが、成長の証となります。

明日の予定

日報の最後に、明日の業務予定を書いておくことは非常に重要です。翌日の仕事の段取りをあらかじめ考える習慣がつき、スムーズに業務を開始できるからです。

「午前:〇〇会議の議事録作成」「14時:先輩と△△社へ訪問」といったように、時間と具体的な業務内容を記載します。この予定を書いておくことで、あなた自身も頭の中が整理され、翌日の準備がしやすくなります。

また上司もあなたの予定を把握できるため、新たな仕事を依頼する際の参考にもなります。事前の計画立てが、翌日の業務効率を大きく向上させるのです。

その他

「その他」の項目は、業務上の報告や連絡、相談などを自由に記載するためのスペースです。日中の忙しい時間には直接聞きにくいことや、改めて文章で伝えたいことを確実に伝えるために活用できます。

業務に関する少し踏み込んだ質問や、今後のキャリアに関する要望などを書くのに適しています。体調が優れない場合や、休暇の相談などもこの欄を使うと良いでしょう。

「〇〇の業務について、来週改めてご相談するお時間をいただけますでしょうか」といった形で記載すれば、上司も心の準備ができます。この欄を有効に使い、疑問や不安を解消してください。

新入社員日報の書き方と手順

木製のブロックを階段状に積み重ね、その上にさらにブロックを置こうとする手。日報を継続することで一歩一歩成長を重ねる様子を象徴している。

ステップ1:1日の業務を時系列で整理する

まず最初に、その日に行った業務を時間の流れに沿って書き出してみましょう。記憶が新しいうちに1日の行動をリストアップすることで報告の漏れを防ぎ、全体の流れを客観的に把握できます。

この段階では、詳細な内容まで書く必要はありません。手帳やカレンダーを見ながら

  • 9:00 朝礼、部署の目標共有

  • 10:00 〇〇研修受講

  • 13:00 先輩と営業同行

というように、出来事を箇条書きで並べていきます。まずは日報全体の骨組みを作るイメージで、その日にあったことをすべて洗い出すことから始めましょう。

ステップ2:重要ポイントを要約する

ステップ1で書き出した業務リストの中から、特に上司に報告すべき重要なポイントを絞り込みます。すべての業務を同じ熱量で詳細に書くと、要点がぼやけた読みにくい日報になってしまうからです。

例えば「先輩と営業同行」という項目であれば、「〇〇社へ訪問し、ヒアリングの重要性を学んだ」というように、その業務から得られた最も大きな学びや成果を抽出します。

何に多くの時間を使ったか、何が一番の成果だったか、どこでつまずいたかを基準に、報告すべき内容に優先順位をつけるのがコツです。

ステップ3:気づきや改善案を書く

業務の事実を報告するだけでなく、そこから得られたあなた自身の気づきや改善案を付け加えます。自分の考えを示すことで、ただ言われたことをこなすだけでなく、主体的に仕事に取り組んでいる姿勢を伝えられます。

項目記入例
事実〇〇のデータ入力作業に3時間かかった。
気づき同じような入力ミスを繰り返していることに気づいた。
改善案明日からは、入力後にセルフチェックの時間を10分設ける。
疑問点もっと効率的な入力方法があれば知りたい。

このように、事実に加えて気づきや次の行動を書くことで、日報の価値は格段に高まります。

ステップ4:上司が読みやすい形に整える

最後に、書き上げた内容が上司にとって読みやすいかどうかを確認し、文章全体を整えます。読み手への配慮は、円滑なコミュニケーションを築く上で非常に大切であり、あなたの評価にもつながります。

まずは、誤字脱字がないかを必ずチェックしましょう。次に、専門用語や社内だけで通じる略語を使いすぎていないかを見直します。箇条書きを使ったり適度に改行を入れたりして、見た目をすっきりさせる工夫も有効です。

提出する前に一度上司の視点で読み返し、「短時間で内容が理解できるか」を確認する習慣をつけましょう。

新入社員日報を書くコツと注意点

ノートパソコンの横でノートに手書きでメモを取る男性。新入社員が日報を書きながら学びと振り返りをしているシーンをイメージした写真。

内容に具体性を持たせる

日報に書く内容は、誰が読んでも状況が思い浮かぶように、具体的に記述することが重要です。抽象的な表現では、あなたの頑張りや業務の状況が正確に伝わらない可能性があります。

例えば「今日は頑張りました」と書く代わりに、「〇〇の資料を目標だった16時より1時間早く完成させました」と書けば、成果が明確に伝わります。「難しかったです」ではなく、「△△の計算式が分からず、30分ほど時間がかかりました」と書けば、上司もどこでつまずいたのかを理解し、助言しやすくなります。

数字や固有名詞を意識して文章に入れることで、報告の具体性と信頼性が増します。

要点をまとめる

日報は伝えたいことを簡潔にまとめ、要点を絞って書くことが大切です。上司は毎日多くの業務を抱えながら、複数の部下の日報に目を通していることを忘れてはいけません。

長々と文章を書き連ねるのではなく、以下の点を意識すると、短時間で内容が伝わる報告になります。

  • 結論から書く:最初に「今日の成果は〇〇です」と結論を述べる。

  • 箇条書きを使う:業務内容や気づきを項目別に整理して見やすくする。

  • 一文を短くする:「~ですが、~なので、~しました」のような長い文は避ける。

忙しい相手への配慮が、分かりやすく評価される日報につながります。

こまめにメモを取る

日報を書く際に、「今日何があったかな」と一から思い出すのは大変で、時間もかかります。終業後になって慌てないよう、業務中にこまめにメモを取る習慣をつけましょう。

人間の記憶は不確かなもので、時間が経つと重要な学びや気づきを忘れてしまいがちです。

  • 先輩から教わったこと

  • お客様に言われて嬉しかった言葉

  • 疑問に思ったこと

などを、その場ですぐに手帳やパソコンのメモ機能に書き留めておきます。

そのメモを見返しながら日報を書けば、内容が充実するだけでなく作成時間も大幅に短縮できます。日々の小さな記録が、日報の質を大きく向上させます。

参考リンク:「業務中にメモを取ることで日報作成を効率化」

読み手を意識する

日報は自分のための記録であると同時に、上司という「読み手」に向けた報告書です。常に読み手の存在を意識して書くことが、伝わる文章の基本となります。

文章を書く前に「上司は、私の報告から何を知りたいだろうか」と一度考えてみましょう。おそらくあなたの業務の進捗状況、何に悩み、どう成長しているかに関心があるはずです。

その視点を持って、報告すべき情報の優先順位を考え、自己満足な内容にならないように注意してください。相手の立場を想像する姿勢が、あなたの評価を高めることにつながります。

長文にしすぎない

日報に熱意を込めようとするあまり、だらだらと長い文章になってしまうのは避けましょう。長すぎる報告は、読み手の貴重な時間を奪うだけでなく、本当に伝えたいことの要点がぼやけてしまいます。

会社で指定されたフォーマットや文字数があれば、それを守るのが基本です。特に決まりがない場合でも、全体が簡潔にまとまるように意識してください。伝えたいことが多い場合は、まず要点を箇条書きで示し、特に補足が必要な部分だけを文章で説明する形が効果的です。

簡潔に分かりやすくまとめる能力も、社会人に求められる重要なスキルの一つです。

新入社員日報でよくある悩みと解決法

頭を抱えて橋の前で落ち込む男性の写真。日報作成に不安や悩みを感じている新入社員や仕事のプレッシャーを象徴するイメージ。

書くことがない

「今日も昨日と同じで、特別なことがなかったから書くことがない」と感じるのは、多くの新入社員が経験する悩みです。しかし、日報は大きな事件や成果だけを書くものではありません。日々のささいな業務の中にこそ、あなたの成長のヒントが隠されています。

ネタが見つからない時は、視点を変えて自分に質問を投げかけてみましょう。

視点自分への質問例
ポジティブな変化昨日よりもスムーズにできた作業は何か?
ネガティブな変化なぜ、あの作業は思ったより時間がかかったのか?
周囲からの学び先輩や同僚の行動を見て「すごい」と感じた点は?
未来への行動明日、今日よりも良くするために試したいことは何か?

様々な角度から1日を振り返ることで、書くべきことは必ず見つかります。特別な出来事を探す必要はありません。

作成に時間がかかる

日報の作成に毎日多くの時間を費やしていると、それが負担になり本来の業務を圧迫してしまうこともあります。日報は効率的に作成し、自分の負担を減らす工夫が必要です。

作成に時間がかかりすぎる場合は、やり方を見直しましょう。日報のテンプレートを作成し、毎日同じ形式で入力できるようにするのが効果的です。また終業後にゼロから思い出すのではなく、業務の合間にこまめにメモを取る習慣が時間短縮につながります。

さらに日報を効率的に作成したい方には、「Notta」のような文字起こしサービスの利用がおすすめです。話した内容を自動でテキスト化してくれるため、入力の手間を大幅に省けます。Nottaは無料でも使えますので、興味のある方は公式ホームページから試してみてください。

いつまで書くべきか

「この日報は、一体いつまで書き続けなければならないのだろう」という疑問も、よくある悩みの一つです。日報を提出する期間については、まず会社のルールや上司の指示に従うのが基本です。

企業によって運用方針は異なり、新入社員研修の終了まで、あるいは部署配属後3ヶ月間など明確な期間が定められている場合が多くあります。もし指示がなくて不明な場合は、遠慮せずに上司へ直接確認してみましょう。

仮に日報の提出義務がなくなったとしても、自分自身の成長記録として1日の振り返りを行う習慣は続けることを強くお勧めします。

まとめ

この記事では、新入社員が日報を書く目的から具体的な書き方、さらにはよくある悩みの解決法までを網羅的に解説しました。日報は単なる義務的な作業ではなく、あなた自身の成長を促し、上司との信頼関係を築くための非常に有効なツールです。日報を通じて1日の仕事内容や自分の考えを文字に起こし、客観的に振り返る習慣は、今後の長い社会人生活において間違いなく大きな財産となります。

最初はうまく書けないかもしれませんが、完璧を目指す必要はありません。今回紹介したコツや手順を参考に、まずは「続けること」を目標にしてください。さらに効率的に日報を作成したい方は、Nottaなどのツールを使ってみてください。話した内容が自動でテキスト化され、AIが要約してくれます。無料でも使えるので、公式ホームページから試してみてください。

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