矢野経済研究所が発表した資料によると、国内のデジタルマーケティング市場規模2023年の実績では3,019億円で、2027年の見込値では5,010億円まで上昇すると見込まれています。

CRM/SFAでは中小企業による活用が増加傾向にあり、導入を検討する企業の層が拡大していることがわかります。そのため、今後も継続してCRM/SFAツールが注目される可能性が高いです。

そこで今回は、CRM/SFAツールであるPipedrive(パイプドライブ)について詳しく解説します。基本概要や特徴、主要機能、プラン、評判、他社比較などを紹介しているため、導入を検討している方はぜひ参考にしておいてください。

Pipedrive(パイプドライブ)とは?基本概要と特徴

Pipedrive(パイプドライブ)の基本概要

Pipedriveは、営業プロセスの「見える化」と効率化に特化したクラウド型のCRM/SFAツールです。2010年にエストニアで営業担当者によって開発され、世界179ヵ国で10万社以上に導入されています。 現場の営業パーソンの視点で設計されており、直感的に操作できるシンプルなUIと必要十分な機能を備えているのが特徴です。そのため、「使いやすさ」で高く評価されており、ユーザーフレンドリーなインターフェースと手頃な価格によって中小企業でも無理なく導入・活用できるCRMとして知られています。

Pipedriveの主要機能を詳細解説

Pipedriveの主要機能

営業パイプライン管理機能

Pipedriveの営業パイプラインの管理サイクル

Pipedriveの特徴は、視覚的にわかりやすいパイプライン管理によって商談や案件を一目で把握できる点です。各商談はカンバン方式のパイプライン上でフェーズごとに並べられ、ドラッグ&ドロップでステージ移動すると進捗を直感的に管理できます。

セールスパイプラインの「見える化」により、担当者ごとにバラバラだった案件情報が集約され、チーム全体で進捗状況を共有可能です。期限切れの案件や対応が必要な案件は自動的にリストの上部に表示されるため、対応漏れや遅延を見逃さない仕組みも備えています。

また、自社の営業プロセスに合わせてパイプラインのステージを自由に追加・編集でき、重要情報やインサイトも整理・保存できるため、柔軟にカスタマイズ可能です。パイプライン管理機能によって、営業担当者はどの案件を優先的に対応すべきかを即座に判断できます。

マーケティング支援機能

マーケティング機能の概要

リード(見込み顧客)獲得やフォローを支援するマーケティング機能も搭載されています。たとえば、チャットボットやWebフォームの作成機能により、24時間365日自動でリード対応が可能です。

チャットで訪問者の質問に答えたり、面談の予約を受け付けたりでき、カスタマイズ可能なWebフォームを自社サイトに埋め込んで問い合わせや資料請求を収集できます。集まったリード情報はPipedrive上に自動取り込みされるため、マーケティングから営業への引き継ぎもスムーズです。

また、メールを活用したマーケティング支援機能も充実しています。あらかじめ用意したメールテンプレートを使い、特定のトリガー(例:新しい取引の作成や商談のステージ進行)に応じて自動でメールを送信できます。

ワークフローの自動化により、繰り返し発生するフォローメール送信などの手間を削減しつつ、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を効率化できます。

メールの開封状況やリンクのクリック率のトラッキング機能(※上位プランで利用可能)も備えており、反応の高いリードを見極めて効果的な追客を行うことが可能です。営業に特化しながらマーケティング要素も併せ持つツールとしても利用でき、営業とマーケの橋渡し役として機能すると評価されています。

分析・レポート機能

Pipedriveのレポート機能

Pipedriveはデータドリブンな営業改善にも利用できます。蓄積した商談データを元に各種レポートを自動生成でき、営業戦略の意思決定に役立てられます。例えば「取引(商談)レポート」では、受注見込みの案件だけでなく失注しそうな案件とその理由まで可視化して提示も可能です。

そのため、問題が発生する前に対策を打つことができ、機会損失の低減につながります。その他にも、収益レポート(売上予測や目標進捗の把握)、アクティビティレポート(活動量やコンバージョンの分析)など多角的な指標で営業状況を分析可能です。

上位プランではダッシュボードやレポートをカスタマイズし、チームや担当者ごとの視点でデータを表示できます。

Pipedriveの料金プラン徹底比較

Pipedriveの料金プランをパソコンで比較

Pipedriveの料金の比較表プランは、以下の通りです。

プラン名月額料金(年契約)主な機能想定ユーザー
Essential$12.5/ユーザーパイプライン管理、基本CRM機能、モバイルアプリCRM初心者・小規模チーム
Advanced$24.9/ユーザーメール自動送信、スケジューラ、自動化ワークフロー営業活動の自動化をしたい企業
Professional$49.9/ユーザー高度なレポート、目標管理、チーム分析、リーダーボード分析強化・営業マネージャー向け
Enterprise$99/ユーザーカスタム権限設定、SAML SSO、専任サポート大企業・高度な管理体制が必要な組織

Pipedriveの評判・口コミを徹底調査

Pipedriveの評判・口コミをパソコンで比較

良い評判・口コミ

全体として、Pipedriveのユーザー評価は高く、「使いやすさ」「見やすさ」に関する称賛が目立ちます。具体的な声としては、「とにかく操作が直感的で簡単。ITリテラシーが高くないメンバーでも問題なく使いこなせる」、「案件やタスクが視覚的に表示されるので対応すべき案件が一目で分かり、結果的に成約率が上がった」という意見があります。

また、「営業向けに特化しているがマーケティング要素も持ち合わせており、ワークフロー自動化で現場の負荷が減った」という声もあり、営業プロセス全般を効率化できる点が評価されています。

悪い評判・課題点

一方で、海外製ツール特有の弱点を指摘する声もあります。代表的なものは、「連携できる外部サービスが多いのは良いが、日本製のツールとの連携はまだ少ない」という口コミです。

また、「日本語対応はしているものの、もともと海外製品のため表現が不自然だったり一部画面に英語が残っていたりする」という指摘もあり、ローカライズ(日本語化)の不十分さが課題です。

「チャットやメールでのサポート対応は英語のみで、日本語ではやり取りできない」という声もあり、サポート面での言語の壁を感じるユーザーもいます。

日本市場向けのきめ細かい対応がやや不足している点は、国内ユーザーにとっての課題と言えます。

ユーザー満足度

全体的に見て、Pipedriveのユーザー満足度は高水準だと言えます。主要レビューサイトでの評価も軒並み評価4以上を獲得しており、使いやすさ・機能性・価格のバランスに優れたCRMとして支持されています。

特に「営業現場で定着しやすい」という点に満足する声が多く、「これまで使った中で最もシンプルで効果的な営業支援ツールだ」との評価も見られます。

また、導入効果に対する手応えも評価されている点です。実際に「Pipedrive導入後に売上が向上した」「チームの営業プロセス管理が劇的に改善した」といった成功事例が複数報告されており、ユーザー企業からの信頼を集めています。

Pipedriveが向いている企業

Pipedriveが向いている企業をパソコンのデータで確認

初めてCRM/SFAを導入する企業

社内に営業支援ツールの利用経験がない場合でも、Pipedriveなら直感的な操作ですぐ使い始められるため安心です。学習やトレーニングに多くの時間を割かずに済み、まずは営業可視化に挑戦したい中小企業におすすめです。

過去にCRM/SFA導入で失敗した企業

以前導入したツールが定着せず使いこなせなかった場合にも、Pipedriveは適しています。理由は、現場の入力負荷を極限まで軽減しつつ必要な機能はしっかり提供しているためです。

複雑すぎるシステムに挫折したケースでも、Pipedriveならシンプルさと実用性のバランスが良く、「今度こそ現場に根付かせたい」という企業が再挑戦する価値のあるツールと言えます。

英語環境に抵抗のない企業

Pipedriveは日本語にも対応していますが、前述のとおり一部で英語表示や英文サポートが残っています。そのため、英語表記のままでも問題なく使える企業(外資系や社内公用語が英語の企業など)には向いています。

Pipedriveが向いていない企業

パソコンで調べ物をしている画像

日本語サポートが必須な企業

たとえば社内に英語対応できる人材がいない場合、製品マニュアルやサポートが英語中心のPipedriveの利用にハードルを感じる場合があります。日本語UIも用意されていますが、機械翻訳的な不自然さが残る部分もあるため、日本語での手厚いサポートを重視する企業には不向きと言えます。

国内製の他システムと深く連携させたい企業

Pipedriveと連携が可能な数百種以上の外部ツールの多くはグローバルで普及しているサービスです。自社で使っている国産の商習慣特有のシステムとの直接連携については現時点で少ないため、連携を重視する企業にはミスマッチな場合もあります。

高度なカスタマイズ要求や専用サポートが必要な大企業

Pipedriveは、中小〜中堅企業向けに十分な機能を備えています。しかし、きめ細かな業務フローの反映やシステム統合が求められるケースでは、Salesforceなどエンタープライズ向けCRMの方が適する場合もあります。

競合CRMとの詳細比較

競合CRMとの詳細比較するために情報をまとめて確認

Salesforce vs Pipedrive

項目PipedriveSalesforce
ターゲット企業中小企業大企業・高度なCRMニーズに対応
特徴直感的なUI・営業に必要な機能に絞ったシンプル設計豊富な機能・柔軟なカスタマイズ
導入・運用のしやすさ短期間で立ち上げ可能/ノーコードで導入可能導入支援や専門人材が必要なことが多い
機能範囲営業支援に特化(CRM + SFA)営業・マーケ・サポート全体をカバー
カスタマイズ性基本的な範囲で柔軟(高度な業務フローには限界あり)API・Apexなどによる自由な拡張性あり
初期費用・運用コスト月額$15〜/低コスト月額$75〜(要相談)/導入支援費を含め高コスト
サポート体制チャット・メール(英語)24時間対応日本語含む多言語サポート/コンサル・専任CSあり
向いている企業営業部中心の中小企業、CRM初導入企業業務が複雑な大企業、複数部門連携を想定する企業

HubSpot vs Pipedrive

項目PipedriveHubSpot
ターゲット企業中小企業・営業チーム単体で運用したい企業中堅〜大企業・営業・マーケ・カスタマー部門を統合運用したい企業
特徴営業に特化したシンプル設計・直感的な操作性と低価格CRM+MA+CSのオールインワン型・無料で始められるのが強み
導入・運用のしやすさ初心者でも使いやすく、立ち上げが早い機能が多く慣れるまで時間がかかる。設定もやや複雑
機能範囲パイプライン管理/営業支援に特化営業・マーケティング・カスタマーサポートまで広範囲に対応
カスタマイズ性基本項目は柔軟に調整可能・ノーコードで対応しやすい高度なカスタマイズには技術的知識が必要なケースもあり
初期費用・運用コスト月額$15〜と低コスト・プランごとの価格体系CRMは無料でも、マーケや営業自動化などは有料でコスト増加しやすい
サポート体制英語による24時間チャット/メール対応・日本語サポートは限定的日本語サポートあり・無料プランでは対応に制限あり
向いている企業営業部門主導でCRMを簡単に導入・運用したい企業複数部門で情報を統合管理し、広範な顧客体験を設計したい企業

Pipedriveの導入事例・成功事例

パソコンでデータを分析

コンサルティング業界(米国)

ビジネスコンサルタントのTiffany Largie氏は、Pipedriveを活用してゼロから年商250万ドル規模の事業を立ち上げることに成功しました。ドア・ツー・ドアのセールスビジネスを展開する中で、Pipedriveによるデータ管理と営業プロセスの徹底が成長のカギとなり、少人数チームでも大きな売上を達成した例です。

マーケティング業界(米国)

マーケティング支援企業のAI Bees社は、創業時からPipedriveを導入し、2年間で従業員数が2000%以上増加する驚異的な成長を遂げました。Pipedriveの簡単なオンボーディングと使いやすさにより、新規セールス担当者の教育も迅速に行え、急拡大する営業チームを支えるインフラとして役立ったとのことです。

テクノロジー(太陽光発電)業界(米国)

ソーラーパネル施工を手がけるBig Dog Solar社は、Pipedriveのプロフェッショナルプランにアップグレードして売上を40%増加させることに成功しました。高度なレポート機能で営業プロセスの可視化とボトルネック分析を行い、最適な営業手法に注力できたことが要因です。導入後、営業担当者の一人は自身の売上を3倍に伸ばす成果も出ており、チーム全体(24名)でPipedriveからの恩恵を受けています。

Pipedriveの導入方法と活用のポイント

導入方法と活用に関してのメモを取る

無料トライアルで操作感とプランを確認

まずは14日間の無料トライアルを利用して実際に操作してみましょう。自社の営業プロセスに必要な機能を洗い出しながら、各プランの違い(自動化やレポート機能の有無など)を比較検討することが重要です。

営業フローに合わせた初期設定

パイプラインのステージ名や項目を自社の営業フローに合わせてカスタマイズすると、現場が使いやすく、入力や管理がスムーズに行えます。

既存データをスムーズに移行

Excelや他のCRMから顧客情報や案件データをPipedriveに取り込み、導入直後から一元管理できる状態を整えましょう。インポート時は項目のマッピングや重複防止も忘れずにおこないましょう。

外部サービスと連携して業務を効率化

メール、カレンダー、チャット、クラウドストレージなど、日常的に使っているツールと連携することで、情報の散在を防ぎ、営業活動の一元化が図れます。

ワークフロー自動化で手間を削減

タスクの自動割り当てやフォローアップメールの自動送信など、定型業務を自動化することで、営業担当者はコア業務に集中できます。

モバイルアプリで外出先からも活用

訪問直後のメモ入力や次回アクションの設定などをスマホやタブレットで行うと、移動時間を有効に使い、業務のスピードと精度を高められます。

チームへのトレーニングとルールの明確化

初期段階で簡単な操作説明や運用ルール(例:商談発生時は必ず登録、活動記録は当日中に)を共有し、全員が同じ基準で使える体制を整えましょう。

定期的な効果測定と運用の見直し

成約率や商談数、活動件数などをレポートで可視化し、導入効果を定期的にチェックできます。チーム内で分析結果を共有し、改善策につなげることで継続的な成長を促進できます。

Pipedrive導入前に確認すべきチェックポイント

ipadでチェックポイントを確認している

導入目的と目標の明確化

「営業の見える化」「業務効率化」「売上向上」など導入の目的を社内で共有し、定量的な目標(例:成約率○%向上)を設定する。

社内体制と運用ルールの準備

管理者や入力担当者の役割分担、運用ルールの明確化、トレーニング計画(マニュアル・研修)を整備しておく。

必要機能とプランの適合性確認

自社で必要な機能(メール配信、見積書発行など)がどのプランで利用できるかを確認し、コストと照らし合わせて選定。

既存システムとの連携要件の確認

Google Workspaceやチャットツールなど、既存ツールとの連携可否を確認。必要に応じてAPIやZapier連携も検討。

データ移行とクレンジング

顧客データの重複削除や表記統一など事前整理を行い、クリーンな状態でスムーズにインポートできるよう準備。

言語・サポート体制の確認

基本は英語サポートのため、日本語対応が必要な場合は代理店導入も検討。英語OKなら24時間サポートが利用可能です。

セキュリティと規約遵守の確認

通信暗号化やアクセス権限など、Pipedriveのセキュリティ仕様が自社ポリシーに合致するかを確認。

費用対効果の試算

ライセンス費用・初期設定コストと、見込まれる営業効率化・売上増とのバランスを試算し、社内説得材料とする。

まとめ

Pipedriveは、営業現場の使いやすさを重視して開発されたCRM/SFAツールです。直感的な操作性と自動化・分析機能が強みで、導入による業務効率化や売上向上の実績も多数あります。

特に「現場で使い続けられるシンプルさ」が定着の鍵で、初めてCRMを導入する企業にも適しています。日本語サポートなどに注意しつつ、まずは無料トライアルで効果を体感してみましょう。

Nottaとの連携でさらなる効率化を実現

Pipedriveは、音声認識ツール「Notta」と連携すると、営業業務のさらなる効率化が可能です。Nottaで録音・文字起こしした商談内容をPipedriveに自動で取り込み、顧客ごとの履歴やニーズを正確に記録可能です。そのため、手入力の手間が省けるだけでなく、会話内容の抜け漏れを防ぎ、スムーズに次のアクションへつなげられます。

たとえば、議事録やヒアリング内容を即座に商談に紐づけて保存すると、チーム全体の情報共有もスムーズです。営業活動において重要な「聞く→記録する→行動する」のサイクルを自動化し、PipedriveとNottaの連携が営業力強化を後押しできます。

Chrome拡張機能10選

Nottaが選ばれる理由は?

① 日本語特化のAIで業界トップの文字起こし正確率が実現、複数言語の文字起こしと翻訳も完璧対応

② 驚いほどの認識速度で文字起こし作業効率化が実現、一時間の音声データがただの5分でテキスト化

③ 国内唯一のGM・Zoom・Teams・Webex連携できるAI会議アシスタント、事前の日程予約から会議を成功に導く

④ AI要約に内蔵されるAIテンプレートで会議の行動項目、意思決定やQ&Aなどを自動作成
(カスタム要約テンプレートでインタビューや営業相談など様々のシーンでの効率化を実現)

⑤ 一つのアカウントでWeb、APP、Chrome拡張機能が利用でき、データの同期と共有はカンタン

decoration
decoration