業務自動化

【2024】業務自動化における必要な知識と推進方法を徹底解説!

社内の業務を自動化すればあらゆるメリットが生まれます。細かなマニュアルを全て覚えなくてもツールを使って業務を進めることができたり、従来よりも効率的に進められたりするからです。とはいえ、業務そのものを自動化するためには、そのための知識を養い、取り入れていく必要があります。本記事では、業務自動化における知識と推進方法についてご紹介します。

業務自動化に関する知識 

業務自動化に関する知識

業務の自動化が進むと便利なことはどことなく理解できるもの。しかし、具体的な内容について把握していなければ導入を検討することは難しいです。ここでは業務自動化とはどんな意味があるのか、必要性や注目され始めた理由などについてご紹介します。 

業務自動化の意味とは

業務自動化とは、社内におけるマニュアル化、ルーティン化された業務をIT技術を用いて自動化することです。デジタル技術が進んだ昨今、これまでは人が行っていた簡単な業務を、ツールやロボットなどを用いて代行させることが主流になっています。

業務自動化の必要性やDX推進との関わりとは

なぜ業務自動化に必要性があるのでしょうか。その理由は人材不足の解消、人件費の削減、リソースの確保を行うためです。どれだけ簡単な作業であっても、人の可動域には限界があり、疲労が蓄積すれば簡単な作業であってもヒューマンエラーを起こしてしまう可能性があります。このように、簡単な作業であっても、人間だからこそ起こしがちなエラーを防ぐべく、ツール、ロボットの導入が検討されているのです。要するに、人的な問題に対して、昨今メジャーとなりつつあるIT技術を用いて解決させるために必要性を感じられているのです。

DX推進に関しては、既存の業務体制や作業手順を改善する時間がない、またはレガーシステムの維持運用だけで人材確保、コストアップしてしまうなど、解決したくても困難な問題がたくさんあります。業務自動化を導入し、人材確保、コスト削減などを経たうえで余力を作らなければDX推進は困難なため、DX推進は業務自動化が必要不可欠であることが理解できます。

業務自動化が注目され始めた理由

業務自動化が注目され始めた理由について、いくつかの理由と合わせて紐解いていきましょう。 

少子高齢化による働き手不足・労働力不足

少子高齢化による働き手不足・労働力不足

現代の日本は少子化が進み、そのうえ65歳以上の人口が増え、「人生100年時代」とも言われています。これは働き手の減少を意味しています。このような理由から、政府では少子化対策としてあらゆる対策を取り入れていますが、現状を見る限りでは、どの政策も効果を成しているとは言い難いものがあります。その結果、生産年齢人口の減少は留まることを知らず、将来的にはもっと減少すると考えられています。

少子高齢化が進めば、どれだけ好待遇の人材募集を行っても、応募者や採用者が現れません。つまり、働く人そのものがいないために好待遇で募集しても意味がないのです。その結果、働き手が減少し、企業そのものの維持も困難になってしまうのです。そういった理由から、業務自動化の必要性を感じる人が増え、徐々に導入の検討が進んでいるのです。

働き方改革の提唱

また、2019年4月に施工開始となった「働き方改革関連法案」では、企業の規模に関係なく、全ての企業が取り組むべき経営課題と言えます。働き方改革が施行された理由は、少子高齢化に限らず、働き手そのもののニーズや家庭などの事情からフルタイムで働けない人などでも働いてもらうことです。そのためにも、ライフスタイルやニーズを崩すことなく働けるよう、業務自動化の検討が進められています。 

生産性の高い業務に集中できる

さらに、業務自動化を導入すれば生産性のある仕事に集中できるようになります。簡単な仕事を優秀な人材に任せていたとすれば、それだけ生産性が減少し、働き手のストレスや肉体的疲労が増加します。しかし、業務自動化を導入すれば簡単な作業はツールやロボットを使って進められるため、優秀な人材は生産性のある仕事を任せられるようになり、安定した事業活動が行えるという利点があります。

業務自動化の関連用語紹介

業務自動化には知っておくべき関連用語がたくさんあります。ここでは業務自動化を検討する前に把握しておきたい関連用語についてご紹介します。

RPA

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称です。意味としてはパソコン上の操作を記録し再生したり、シナリオ作成をして任意の作業を仕組み化することを言います。

コグニティブオートメーション

「コグニティブオートメーション」とはビジネスプロセスの自動化において適用されるAI手法のことです。機械学習や深層学習など、多くのAI技術とは異なり、人間の思考を再現することを言います。

OCR

OCRとは光学文学認識のことです。スキャナ、カメラなどから読み取った文字を電子化することです。

 AI

業務自動化の関連用語紹介

AIとは人工知能のことです。AIに多くの知識を取り込むことで、より精度の高い作業ができるようになったり、簡単な判断を任せられたりするようになります。

業務自動化・効率化への取り組みが浸透しない理由

業務自動化・効率化への取り組みが浸透しない理由

ここまで見ても業務自動化の導入は速やかに検討したいものだと考えられます。働き方改革の後押しも期待でき、さらには残業時間の削減といった企業そのもののコスト削減も実現可能です。では、どうして業務自動化の導入は一高に進まないのでしょうか。それは3つの根本的な理由が関係しているからです。

業務の内容・実態まで把握できていない

そもそもの業務内容や実態を把握せずに業務自動化を取り入れてしまえば、業務そのものに対応し切れておらず、利用できなかったり、一部しか使えなかったりといった評価につながります。結果として便利な業務自動化ではなくなってしまうのです。そのため、業務内容や社員の抱える実態、現場の状態などをしっかり把握しなければ、適切な業務自動化の導入は難しくなってしまいます。業務自動化を取り入れる前のファクトチェックなどが大変な理由から、なかなか導入しないといった理由があります。

自動化可能な業務かを判断できていない

そもそも企業内の業務や実態が自動化可能なのかどうかを把握し切れていない理由も挙げられます。これまで人が行っていた業務を、すべて自動化するためには、自動化の難易度が高度になってしまうことから自動化実現への時間がかかり、なかなか導入できないといった理由も考えられます。

具体的な効果を示せるかを重視していない

また、業務自動化によってどんな効果が得られるのかを重視していないことも挙げられます。業務自動化の効果を具体的に示すことができなければ、導入時のコストばかりに目が行き、どうしても及び腰になってしまうのです。業務効率がアップする、結果的に見てコスト削減になる、働き手が減少する将来を見据えたものだ、とアピールしたとしても、それらを細かく数値化した説明は非常に難しいため、効果を示しにくいのです。その結果、業務自動化の検討で終わってしまうのです。

業務の自動化・効率化を計るポイント

業務の自動化・効率化を計るポイント

では、業務自動化・効率化を計るためのポイントはどのようなことが挙げられるでしょうか。

業務の「見える化」から始める

まずはこれまでの業務内容を「見える化」することから始めましょう。業務内容の手順などを簡単に記録できるツールや録画ツールなどを用いることで、手順整備をスムーズに行えるようになり、「見える化」しやすくなります。

RPAツールの調査・確認・選定——ツールの得意・不得意を理解する

RPAツールの調査・確認・選定を行い、ツールの得意・不得意を理解した上で導入を検討することもおすすめです。RPA系のツールには特定の操作をシナリオ化し、ロボットなどに実行させることが可能なものなどもあります。ただし、IT技術になれた人、企業であってもその利用は困難な部分も多く、結果を感じにくいこともあります。RPAツールを選ぶ場合は、適切なマニュアルがあるツール、アフターサポートなどが充実したツールを選ぶと良いでしょう。

自動化させたい業務を明確にする——作業や業務におけるパソコン操作の精査

どんな業務を自動化させたいのかを明確にすることも大切です。なぜならRPAツールでは全ての業務を任せることができないからです。そのためにも、業務や実態を「見える化」し、そのうえでどんな業務なら自動化可能なのかを精査することが大切です。 

小さな規模で始める

また、RPAツールを導入するなど、業務自動化にはあらゆるコストが掛かります。最初に用意しなければならない経費であったとしても、あまりに高額なものだと、自動化できない業務にしか対応できていない場合のリスクになりかねません。そういったことを踏まえ、まずは小規模の業務に対してや、RPAツールの導入も最小限のコストに抑えられるものを選び、そのうえで業務自動化を判断することが望ましいです。

実際にツールを利用して効果測定、効果検証

業務自動化のテストが終わり、RPAツールの選定が終わったら、次は業務における効果測定・検証を行いましょう。人が行うことで発生していた業務の時間と負担に対して、自動化したことで確認できた時間や負担を見て、どのような調整が必要かについて熟考する段階です。何度もテストを実施し、エラーなどが生じないようチェックして、そのうえで実務に導入します。

業務自動化のメリット

業務自動化のメリット

業務自動化にしたことで得られるメリットにはどのようなことがあると思いますか?ヒューマンエラーを防ぐだけでなく、企業、働き手である社員にとっても大きなメリットが得られると考えられます。

品質・コスト・リードタイムの最適化

生産管理の場合、生産現場を管理しながら品質・コスト・リードタイムを最適化させる必要があります。そのためには、スケジュールなどの細かな情報の統制が必要になったり、人的・物的コストを管理しなければなりません。また、納期を遵守しなければならないといったことも重要であるため、働き手の負担が大きいのは目に見えています。

業務自動化にすれば、これらの管理をツールやロボットがプログラミングされたシナリオから自動で行うようになるため、働き手はその分重要な仕事ができるようになり、最適化を図ることができます。

売り上げの最大化

業務自動化のメリットには、ほかにも売り上げの最大化を目指すことも挙げられます。働き手が管理していた納期や品質管理などを自動化することで、管理そのものが徹底化され、生産性の向上につながります。その結果、品質を保った商品を提供できるようになり、売り上げアップにつながるのです。

コストの削減

業務自動化にするには、あらかじめ必要経費として高額な費用を要するため、削減したいコストが増加してしまうのでは?といった不安を抱える人も少なくありません。もちろん、導入コストやランニングコストは一時的に発生しますが、人件費や時間的な浪費面から比べれば、そのコストは大きく差があり、結果としてコスト削減につながるのです。業務自動化とは、むしろコスト削減に向けた取り組みであり、無理や無駄などを省き、より効率的に業務を遂行させるといったメリットがあるのです。

 

業務を自動化する方法

業務を自動化する方法

では、具体的にどのような方法を用いて業務自動化を図ると良いのでしょうか。方法としては大きく分けて2種類あります。 

ソフトウェアや多様なツールを用いてのデジタル的な自動化

業務自動化を図るためには、一つ目にソフトウェアやツールなど、デジタル的なものを自動化することが挙げられます。まずは以下2つのツールの導入を検討してみましょう。

 RPAツール

RPAツールは仕組み化が可能な業務、定期的に行われる業務、パソコンのみで完結する業務の3つに適しています。RPAツールを導入するには、まず「どの業務を自動化したいのか」を明確にすることが大切です。そうすることで、最適なRPAツールを選定できます。

マクロ

マクロとはプログラミングを用いて自動化する方法のことで、MicrosoftのExcelに搭載されている機能のことです。マクロそのものはプログラミングの知識がなくても利用可能です。マクロを使うことで「マルチタスクを記録して再現する」という自動化が可能になります。

ロボット、センサーといった物理的・機械的な自動化

ロボットやセンサーといった物理的且つ機械的な自動化も効果的です。現実世界にある物理的な情報をセンサーで読み取り、データを取得してプログラムを実行させることができます。ほかにも、ロボットなどに直接加工などの作業を取り込んだりすることも可能です。

【職種別】RPAツールを使って自動化可能な業務を解説! 

RPAツールを使って自動化可能な業務

では、RPAツールによって自動化可能な業務について見ていきましょう。社内のあらゆる業務を自動化することが可能ですから、今後の参考にしてみましょう。

人事・総務

人事・総務の場合、社員全員のデータを保有・加工・管理することが主です。そのため、情報漏洩のリスクと隣り合わせでいる企業がほとんどです。ほかにも給与明細の作成や人事考課、過重労働の通知や入社・退社処理など、細かなデータ入力が重なることから、入力ミスなどのヒューマンエラーを避けたいといった企業にはおすすめです。 

経理

経理の場合、毎日数多くの数字を取り扱うことから、RPAツールに向いていると考えられます。交通費の計算・精算・確認業務であったり、企業の預金残高の確認などもRPAツールで行うことが可能です。社内の細かな情報ですから、できるだけ多くの人の目に触れたくない、といった企業にもおすすめです。

営業

営業は数字によって管理され、その数字から資料作成を行うことも少なくありません。見積書の作成や日報の作成・管理、レポートの作成などもRPAツールを使うことで簡単に効率化を図ることが可能です。

 マーケティング

マーケティングの場合、プレゼンやレポートなどを数字や図形などを使って示すため、RPAツールを用いて作る機会の多い職種です。競合企業の分析はもちろん、そのデータを使った資料作成などもスムーズに行えるため、優秀な人材ほどあらゆる業務に取り組めるようになり、生産性の向上を図ることができます。

 

まとめ

業務自動化と一口に言っても、さまざまなツールが展開されていること、どのような業務なら自動化可能なのかをチェックする必要があること、どんな業務を自動化したいのかを明確にする必要があることが理解できたかと思います。

業務自動化には必要経費が掛かります。しかし、将来的に見てコスト削減が実現可能であり、働き手が不足する時代に沿った取り組みだと考えられます。業務自動化を検討の方は、今一度自社の業務を「見える化」し、そのうえで自動化すべき業務はなにかを見つけ出すことから始めましょう。

to top